ワスレナグサを君に。【呪術廻戦】

２．後悔 ページ3

『戻ったわよ？夏油…』



アジトに帰ると、夏油君は玄関で三角座りをして待っていた。



「…おかえり」


『こんな姿、菜々子や美々子が見たらショック受けるぞー』



夏油君の前で同じ目線までしゃがみ込む。


するといきなり抱きついてきた。




こんな弱い姿を知っているのは私だけだ。

支えてあげられるのも、私だけ。



『よしよーし、大丈夫大丈夫。私はどこにも行かないよ』



少し歪んだ愛情で私達は成り立っていた。







夏油君が落ち着いたところで洋風の部屋へ移動する。

そこはいつも食事に使う部屋だった。


時刻は19時。
食事が運ばれてきて頂こうとした時、私は気づいた。




『ってかそんなに心配なら自分で行けよ！！』


「えーだって今悟達に見つかるわけにはいかないんだもーん」


いつもの夏油君に戻っていた。


それには安心したが、毎回このやりとりをしている気がする。


「でも、そろそろだね。次は私が行こう」


夏油のその言葉が何を意味しているのか、私は察した。





決めたはずの覚悟が揺らぎそうだ。


「A…後悔してるかい？」


あぁ、そんな泣きそうな目で見られたら…



『後悔してないよ。私は決めたから。夏油君のそばにいるって、ね？』


後悔してるかしてないかは、本当はまだわからない。


だけど、夏油君のそばにいると決めたことは確かだった。

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