幸 ページ5
zm side
気付けば僕が彼女に惚れてから5ヶ月が経とうとしていた
容態は一向に良くならず、肝臓、腎臓がかなり衰弱していた
その日僕は初めて彼女の主治医と話が出来た
主治医は、彼女が助かるとすれば、全臓器の移植しかないという
そんなこと出来るわけないやろ…
腎臓ならまだいいとして、既に肝臓もダメなんやで…？
少しでも長く生きて欲しかった
だが、苦しんでも欲しくない
話し合った結果。
僕の腎臓と彼女の腎臓は型が合う
片方あげよう
でも…
血中のアンモニア値の上昇で何が起こるかわからない
手術を行うことが出来ない
僕はどうしたらええんやろ…
今日も僕は君の元へ行く
仕事は今だけ休ませてもらっている
大切な彼女が辛い状態やから…と
大先生の証言もあり、上司が快諾してくれた
ほんま優しい人達やな…
そんなこんなにでもう5ヶ月になるんにな…
1度だけ、上司をここに連れてきたことがある
その時、『ぁぇ…？』とだけ言った
足音だろうか、大先生でも僕でもないってことが分かったらしい
「…！初めまして、ゾムの上司のーという者です。」
「えと…紹介します。僕の彼女のAです。彼女は今まで誰もなったことの無い先天性の全臓器の緩やかな衰退の病気でして…
既に声が出ず、目も見えていません。さらに今では肝臓と腎臓がかなり悪い状態です…それに加えて筋肉の衰えが1番酷く、もう少しも動くことができません。」
上司は絶句していた
ここまで酷いとは思っていなかったらしい
「…Aには親も…友人もいません。ずっと病院暮らしなんです。あ、でも…鬱とは仲がいいです。」
『ぉ…ぉ…ぃぅ…』
「せやな、僕もいるで。ほら、ここに」
そうやって手を握る
弱い力で握り返してくれる
指を絡めて恋人繋ぎなるものをする
ゆっくりと微笑んでくれる
あぁなんて可愛いんやろうか…
本当なら構ってもらいたい
でもまぁ上司の前やから…我慢する
「そうか…ゾムよ、しばらく仕事に来なくていい。ずっと一緒にいてやれな」
そう言って帰っていった
チャンスやな
「A構ってぇやー…僕は甘えたいんや…」
そう言って抱きしめる
息をいっぱい吸い込むとAの優しくていい香りがする
好きで好きで仕方がない
『ぅぃ…ぅ』
嬉しいなぁ…そうやって好きって言われるともう止まらんで
そのままキスして甘え尽くした
次の日には今までと違うAがいた
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ぱなん(プロフ) - 感動して涙が止まりませんでした。素敵な作品でした！ (2022年12月28日 1時) (
レス) id: 86d4459a23 (このIDを非表示/違反報告)
ぱなん(プロフ) - 作品を読ませていただきました。感動して本当に涙が止まりませんでした。ほんとに大好きな作品です！こんな素敵な作品を作ってくださってありがとうございました！ (2022年12月28日 1時) (レス) id: 86d4459a23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くいな | 作成日時：2020年2月15日 15時
