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伝えたい【カナタ】 ページ5

…カナタSiDE

俺には好きな人がいる。Aさんっていう人。

タシアのみんなでいつも通ってるカフェの店員さんで、タシアのみんなもAさんのことが好きらしい。といっても、彼女がいるメンバーも数人いるので、恋愛感情とかではないだろう。

ただ、俺は違う。俺は女性として、Aさんが好きだ。だから、そのカフェに今日は一人で行くことにした。

「いらっしゃいませ〜…あら、えーとカナタさんでしたっけ、本日はお一人でしたか」

今日も来てくれてありがとうございます、と微笑みながら言う女性。この方こそがAさんだ。

朝早い時間だと他の客も少ないということを事前に知っていた俺は、わざわざ早起きをしてまでここに来た。早起きは三文の徳ってやつ?

さらに今日は他の店員さんもおらず、二人きり。

「…なんだかAさんの姿を見たくて」
「あら、そんなことでしたら呼んでくださればいきますよ、なんて」

そう楽しげに笑う彼女に今日もまた惚れ直してしまいそうで、慌てて目を背ける。

「どうやって呼べばいいんですか」
「んー電話とかですか…?あ、連絡先交換してませんね」

そういいながらもそれ以上話の進展がなかったので、

「じゃあ交換しましょうか」

と勇気を振り絞って言ったところ、あっけなく連絡先を手に入れてしまった。とりあえず進展、進展したぞ。よくやった、俺。

に、しても、「呼んでくれれば行く」なんて、興味のない男に言うだろうか。言うのなら、罪な女だ。有罪。ギルティ。

都合よく考えるなら、「Aさんは俺のことが好きで、連絡先を交換したいがために『呼んでくれれば行く』と言った」とか…?いや、夢見すぎだなあ。

「…さん、カナタさん!」
「あ、すいません、よく聞こえませんでした」
「どこぞやの音声案内みたいな返答ですね、ご注文どうぞ」

気がついたら深く考えてしまっていたようで、注文を言うのを忘れていた。

「じゃあ…いつもので」
「毎回違うメニュー頼むくせに…」

この想いを伝えてしまったら、もうこんな冗談で笑うこともできなくなってしまうのだろうかと思うと、胸が痛い。

-------------------キリトリセン-------------------

彼女がいるメンバーがいるというのはあくまでも設定ですので、ご本人様とは関係ございません(ご本人様の恋人の有無はわかりかねます)。

初めまして【まさと】→←美しさでは勝てない【まりん】



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設定タグ:短編集 , アナタシア , 女主   
作品ジャンル:恋愛
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よこみ(プロフ) - 更新、お疲れ様でした。短い期間でしたが、これまで素敵な作品をありがとうございました。ご自愛なさって、充分療養なさってください。ありがとうございました。 (2020年1月17日 0時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
鷲丸(プロフ) - 友希さん» ええん嬉しいです泣 りおんくん推しなのでそう言っていただけると本当に幸せです〜!! (2020年1月15日 18時) (レス) id: 65301272d0 (このIDを非表示/違反報告)
友希(プロフ) - 鷲丸さん» 鷹丸様のりおんさんが可愛くて大好きです… (2020年1月15日 18時) (レス) id: f099cea9c1 (このIDを非表示/違反報告)
鷲丸(プロフ) - 友希さん» えっっうれしい!!!笑 ありがとうございます…泣 (2020年1月13日 9時) (レス) id: 65301272d0 (このIDを非表示/違反報告)
友希(プロフ) - 鷲丸さん» あ、神なのは鷹丸様です(^ ^) (2020年1月13日 0時) (レス) id: f099cea9c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鷲丸 | 作成日時:2019年12月27日 21時

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