あなたが幸せなら。【アナタシア】

板挟み【カナタ・ハネル】 ページ11

…カナタSiDE

「俺さ、好きな人できた！」

ハネルは妙にそのことを楽しげに電話で報告してきた。

まあ気になるのは誰なのか、という話だが、どうやらAさんという方が好きらしい。Aさんは今人気の踊り手さんで、俺も面識がある。

「で、告白しようかと思ってて…」
「…へー…え？！まじ？！」

びっくりした。割と奥手なハネルがそんなこと言うとは。よっぽど好きなんだろうな。

「…？ うん、そんなに驚くことだった？」

俺もやるときゃやるの！なんで笑うハネルは普段よりかっこよく見えるわけで。こりゃ同じアナタシアのメンバーとして頑張ってほしいところだ。

「いや、まあな。…あ、踊り手同士の恋愛だし、ハネラーさんもいるわけだから、あんまりバレないようにな」
「それは任せといて！今度コラボするつもりだから、その時に言うから！」
「おうよ」

その後しばらく談笑し、なんかあったらいつでも言ってくれよ、と言い残し電話を切った。

そういえば、Aさんには好きな人がいるのだろうか。聞いてみよう…なんて言ったらダメだよなあ。

なんて考えてたら、偶然にもAさんからメッセージが来た。あ、そういえば俺もコラボの予定があったんだった。まあ、二人きりじゃなくて、Aさん、芝、俺の3人だけどね。

「カナタさん、少しお願いがあるんです」
「どうしたんです？」

慣れない敬語でメッセージを打っていく。…なんとなく、嫌な予感がする。

「実は私、芝健くんのことが好きで」

「今度のコラボのとき、少し協力していただけませんか？」

…俺は…どうすれば…？

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実際にあったら辛いですよねこれ…

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