あなたが幸せなら。【アナタシア】

芝犬【芝健】 ページ2

…ASiDE

私がお風呂から上がると、芝健はそこにいた。髪も乾かさず、でも手にドライヤーを持ったまま、私の前に立ちはだかった。

「…ドライヤー持ってるのになんで乾かさないの」
「私の髪乾かしてほしいなーって！」

私は耳を疑った。だって、芝健って人に触られるの苦手で、自分で髪を切るような人間だよ？どうしたんだろう…

「さわ、ってもいいの？」
「Aになら触られても大丈夫！いやむしろ触って？www」

なんて笑いながら言う芝健。それなら私がお風呂行く前に乾かしてあげたのに…なんて思いつつ床に座る。芝健も私の前に座る。

ドライヤーをかけている間は、ちょっと大きめの音がするので会話が聞こえにくいかな、なんて思ってた。だけどそれは杞憂だったようで、芝健のどでかい声はドライヤーの音すらかき消した。

「Aに頭撫でられてるみたいでなんかいいな…って待って！熱い！」「ごめん！」

なんていう言葉を交わしながらも、芝健の髪はあっという間に乾いた。女の私より圧倒的に速く。

「Aさん、私今日構ってちゃんDAYなんですよ」
「ほ、ほう？」
「頭撫でてもらっていい？」

なんてかわいいことを言うのか。言われるがままにわしゃわしゃと頭を撫でる。気持ちよさそうに目を細める芝健は正に犬のようであった。

「ありがとう！じゃあ今度は私がAの髪をもてあそぶ番ね〜」

もてあそぶとは何か、何をされるのか。まあそれはわからないけれど、なんか幸せだなあって、思いました。

-------------------ｷﾘﾄﾘｾﾝ-------------------

このタイトルで絶対お話を書くと決めていたので、満足です。一応柴犬という単語は「しばいぬ」という読み方が正式な読み方らしいのですが、「しばけん」と呼ばれることが多いのでこのようなタイトルにしました。

芝健さんは明るい方ですよね。いつ犬の尻尾が見えてもおかしくない…(？)

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