山崎烝が拾った少女は、彼の妹でした。【薄桜鬼】 (ページ5)

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対面ページ5

「ん……」

重いまぶたをゆっくりとあげる。
すると、見覚えのない天井が目に入った。

「ここは……」

「あれ？目が覚めたの？」

ふと、隣から声がした。声のした方に顔を向けると、男の人が座っていた。特徴的な髪型をした人だった。

「山崎くーん、この子の目が覚めたよ～」

「やま……ざき……？」

聞き覚えのある名字。そう、僕も同じ名字。
でも、山崎なんてそんなに珍しくない。
だから、期待するのはよしておこう。

「ありがとうございます。沖田さん。」

そういって、男の人が部屋にはいってきた。

「………烝…兄ちゃん？」

自然と、僕の目から涙が溢れた。
この人を……僕はよく知っている。
この人こそが……僕が探していた…「兄」だ。

「…………？」

彼は、困惑した目で、僕を見つめる。無理もない。あのときとは、見た目が大きく違っているのだから。

「僕だよ……烝兄ちゃん。山崎Aだよ。」

だから、僕が教えてあげる。

「A………？」

烝兄ちゃんが、おそるおそる聞いてきた。声が、少し震えている。

「ずっと、会いたかった……。」

僕は、烝兄ちゃんに、飛びついた。
そんな僕を、兄ちゃんは、優しく受け止めてくれた。