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さんじゅう ページ31

『ただいま』





いつも通りリビングで寝転がっている父の横を通り母に挨拶をする





ただ今日はとんでもなく疲れてベットに横たわった





ふと視線の端に入った紙袋を見る





そいえばこんなん渡されたっけ





紙袋に触れると疲れで飛んでいた記憶が蘇ってきた





自宅前でのこと








┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




『じゃ、じゃあ僕はこれで…』





『あ、あのごめんあと少しいい?』





僕の言葉を遮って小さい袋を差し出した





確かにずっと何か持ってるなぁとは思っていたが





『これは?』





『来てくれたお礼のお菓子…』





いつも言葉上手な水琴くんにしては珍しくぶっきらぼうな口調に違和感を覚えつつ





渡されたのは少し小さめな箱が入った紙袋





その紙袋や箱には見覚えがあった





これはもしや、、、





『これ▲▼屋の期間限定チョコ…!??』





『そ、よくわかったね』





『ど、どどどうしてこれを…』





『少し前に食べたいって呟いてたから?』





そんなこと言ってたかしら()




まぁ恐らくいつぞやにぼそりと言ったのだろう





なんで覚えてんだよ嬉しいけどッッ





『なんで覚えてんのかって??


まぁたまたまっすよ』





『水琴くん、ビビるからエスパーやめい


というかたまたまってそんな訳ないじゃん…w』





会話でもなんでもない言葉なんて覚えてらんないだろ…





もしや僕の記憶力が無いだけか…?





『ははっごめんごめんw


まぁな、そこんとこは秘密ってことで、じゃあな』





『え、秘密って何かあるのちょっと!???』





そのまま彼は帰って行ってしまった





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





そういえば驚きの興味でお礼言えてなかったな





明日あったらしっかりお礼しよう





なんて思いながらチョコレートを頬張った





『うっっま…』







今までで1番甘くて美味しいと感じたのはずっと食べたかったチョコレートだったからだろう。

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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:was | 作成日時:2022年8月12日 3時

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