僕らに理想なんて___｡〖名前変換オリジナル〗 (ページ11)

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じゅうページ11

『うﾞぁﾞｯｯ』

『Aｯ…!?』

強烈な頭痛に見舞われた

『お母さ､､､』

涙が止まらなくて

息が上手く出来なくて

水琴くんの声も届かなくて

うずくまった

ただ

『救急車』

その声だけ聞こえて

咄嗟にスマホを持っている水琴くんの手首を握った

もうあんな思いはうんざりだ｡

『っっ…ばか』

そう言ってただ背中をさすってくれた

『ｹﾎｹﾎｯ』

『大分落ち着いた…?』

『うん…心配させてごめんなさい』

『いや俺こそまた変なことを…本当に申し訳ない』

どうして謝るのだろうか

僕の心が弱いだけなのに

『水琴くんは悪くないから…謝らないでよ』

『いや…苦しい思いは俺だけでいいのにな (ﾎﾞｿｯ』

『え…?』

微かにそう聞こえた水琴くんの声

『歩ける…?』

そう言って真っ直ぐな目で手を差し伸べた

その吸い込まれそうな綺麗な目で見つめられると

もう一度と聞き直せる訳もなく頷いてその手を取った

僕の家は拓の家からそこまで近くない

ここまで一緒ってことは物語みたいに家が隣とか…

『僕の家ここだから…ありがとうね』

『お大事にね…?』

『その節は…』

『いやいや大丈夫だからw

んじゃまた学校で』

学校で､か

そんなこと言ってくれる人が出来たんだな

『うんまた』

辺りはもう日暮れ

水琴くんはまだ日が落ちてないオレンジの空に向かっていく

やっぱりな､､､

『どうしてそこまでしてくれるんだろ…』

そっちは

来た道なのに､､､｡