性悪女子とドS男子【国見英】

32 気づいてましたよ ページ33

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テーピングや瞬間冷却のスプレーとかをカゴに入れて

他に買うものがないか確認中。



このカゴ重てえな、と思って少し顔をしかめて居たら、不意に腕が軽くなった。

隣を見れば、ヒョイっと軽々しくそれを持ち上げる岩ちゃんさん。きゃあ、イケメソ



……じゃない！！






「すみません重いですよね、持たなくていいですよ！！！」


岩「いや俺が持つ」


「えええ！！持たなくていいですってば！！」







マネージャーの仕事だからこれは！！と必死に言うと

岩ちゃんさんは露骨にため息をついた。え、なんで？






岩「お前女子なんだから、重てえものなんか持つんじゃねえべ」







そう言いながら近くにあった冷えピタをカゴに投げ入れる。

……………え、惚れる。



シンプルにイケメンすぎんかいまの一言。今日のクソ男とは天地の差。

いやそれどころじゃない、もう比べるところがまず違うなうん。



そして不意に出る方言。殺す気？

まじでこれだから岩ちゃんさん推し(強火)はやめらんねえんだよ。






岩「………んな見んな」







じーっと見つめていたらそう言ってプイッと顔をそらす岩ちゃんさん。

はあああああああああああ無理。


国見くんに見習ってもらいてえ。(え、今日助けたのに好感度upしてないの？by国見)

それでもさらに見つめていたら、彼が赤面した顔をこちらに向けた。






岩「…勘違い、すんだろうが」


「…………………………ファ？」







ボソリと言った言葉は小さくて聞き取りづらかったけれど、多分そう言ったと思う。

自分の耳を今日だけは信じたい。



無理、待って

彼の一言に私まで顔が熱くなるのを感じた。




なにそれ、私のこと好きになっちゃうぞってこと？(早とちり)

いや考えすぎかもしれないけど、いやうん。無理。





胸が焼けるように痛かった。









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