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「はぁ、無事か？」
「ぐ…あ……」
次にくる衝撃に身を構えて、正味死を覚悟していた。
しかし、私に襲いかかったものは痛みではなくよく聞く安心する人の声だった
「な、なんでトント」
「こら余所見すな。相手は少ないけど戦場や。死ぬぞ」
ずぶりと死に絶えた男から槍を抜いた。
気づいたらまあまあ血にまみれた自分がいて、隣には血にまみれることなく綺麗な服装のトントンがいた。
当時想定していた…というか、茂みに隠れていたうちの1人が増援を呼んでしまったためにだいぶ増えた。お陰様で私はもうゼェハァだ。持ってきた槍も久しぶりに振ったせいか、それとも元々古かったのかガタが来ている
「全く……お前ェッ！！」
「あいだぁっ！？い、いまグーで殴ったぁ……」
ゴチンッと頭に鈍い音が響いた。
久しぶりの鉄拳制裁と言おうか優しい粛清と言おうか。
「お前っ、ほんま、もお〜外道丸だけで城に向こうて来た時はどうしようかと思ったんやで！？」
ガクンッと肩を掴み揺らされる。
「え、あ、だって外道丸隠す場所なかったから…戦闘時に傷つけちゃひとらんに申し訳ないし」
「いや何言うてん、Aも一緒に逃げれば良かったやん。傷ついてないか？ついてたらはよ教えて」
真っ白な手袋が私の顔に飛んだ血を迷うことなく拭う。汚すのが申し訳なくて手を払おうとしてもじっとしてろと一喝されてしまった。
トントン、綺麗な目だなあ…顔もすごい整っているし、髪の毛も毎日セットされてて、でも触ったら柔らかいんだよね…こうやって戦闘後の少し乱れた髪も好…………
「イッ……？」
「ここか。今バイ菌とったるからな」
「へ…？ちょ、何し……ッ！？やめてっトントンッ！」
服の袖に隠された切り傷を滲んだ血から見つけたトントンは袖をめくり、その傷口を数秒間見つめると、なんと傷口に顔を近づけた。
ぴちゃ、ぢゅ、ちゅう
「あっああ！？やめてっ！痛いっ痛いってば！血を吸わないで、えうッ」
次に聞こえたのは水音で、トントンは私の傷口に舌を這わせて吸ったり舐めたりを繰り返していた。傷口に唾液がしみて思わず顔を歪めた
トントンの顔を見た私は思わず息を詰まらせた。
トントンは恍惚とした顔で、目を細めて、瞳を蕩けさせて、まるで好きな物を貪るように＿＿＿＿
次の瞬間、目がばちりと合った。そして顔をにんまりとして
「あうっ！？」
ぐり、と私の傷口を抉るように舌を動かし、
私はぼろりと涙を零してしまった
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まうる - 一言だけ言わせて下さい 最高過ぎて死にそう (2019年8月25日 22時) (
レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - Jpipiさん» ありがとうございます！ (2019年8月23日 20時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - ねこさん» ありがとうございます！私も個人的にこの表現気に入ってますので嬉しいですね。静かに狂気が這いよります。 (2019年8月23日 20時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
Jpipi - あ、ヤバ…。尊い＾＾ (2019年8月23日 19時) (レス) id: 022f9f82f7 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - トントンの恍惚とした、って言う表現すこです。ていうか狂った感じが大好きです (2019年8月23日 11時) (レス) id: b1b20001d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：根無し | 作成日時：2019年8月18日 17時
