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「お前がなんでその名前を知ってんねん鏡」

殺気が抑えられない。

瞳の色だって変わっている気がする。
でも、そんなことどうでもいい。

「聞いとんか…?」

ゆらりと銀の鈍い光と赤い瞳が蛇行する。

「…っ」

目の前のダラダラと汗を流す“鏡”とやらは口をわなつかせて喋らない
拷問室にでも連れて行っていたら、もう少しこいつの命は長らえていたかもしれない。

でも、無理だ。

ショッピくんと同じように閉じ込められるかもしれん。

今度こそ、ナイフをおおきく振りあげて“鏡”の怖がる顔でも拝んで殺ろう。



ガチィン……



「おい、何しとんねん





____グルッペン」


その一撃を押さえたのは真っ黒な軍服に木の葉をちらつかせたグルッペンだった。

「…はぁっ…間に合ったか……」

しかも肩で息をしている。
いつもは見せない取り乱す姿に若干戸惑う。

「ゾム、ソイツへの攻撃はやめろ。」

「は?お前何言っ」
「《総統》命令、だ。これでも聞けんか?」

総統命令、そう言われてゾムは膝をついて頭を下げた。

この男、グルッペンが総統命令を出すのは。自分に出すのはあやふやな俺の脳みそと違って事実がハッキリしていて且つ俺を宥めるときだ

俺がこれに逆らえんと知っているから。

「……さて、“鏡”…いや違うか。
【禁忌】よ。お前の母親の全てを話してもらう」

“鏡”が俺の顔でニヤリと口を歪めた。

「ああ、何?どこまで知ってるのさ。」

「そうだな、お前らが変身したやつの“記憶”を見るのが趣味だというのも知っているぞ。
そうやって関西弁を話すのはゾムがその言葉を喋っていたからだろう」

“鏡”…いや、【禁忌】は目をさらにした。なんだ、しってるの。とでも言いたそうだ。

「ああ、いやまあそうなんだけどね。あ!でも鏡からの解除法はあってるから。

俺をここから出してくれたお礼」

指をさされた先にはさっき鏡から抜いたナイフ。

「母親というか君らはゲデヒトニスって呼んでるんだっけ。

あの人は、ここからずっと南西の隣国にある小屋に今住んでいるよ。
俺は危険視されてここに残されちゃったけど。良かった。来てくれて。」

「そんな簡単に教えていいのか」

「え?小屋のこと?
あー、これは、まあ、贖罪の意味も含んでるんだよ。Aちゃんに。
怖い顔しないでよ、俺らも必死だったんだぜ?」






いつの間にか、俺一人だったけどさ。


自嘲気味に、笑った





「ね、俺ら_鏡達のかわりにAを助けてやってくれ」

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アイス! - ええ話やぁぁ、、、もしかして主さん神ですか!? (2020年10月12日 21時) (レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - サンプルさん» サンプル様コメントありがとうございます!最高の褒め言葉です! (2019年6月10日 0時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
サンプル - めちゃくちゃ泣けた(TωT)ウルウル (2019年6月9日 20時) (レス) id: 37598dd4c5 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - 理香さん» 理香様コメントありがとうございます!完結です〜!番外編もどうぞお楽しみください! (2019年6月9日 18時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
草が頭に生えてる人(プロフ) - 完結お疲れさまです!これから番外編も楽しく読ませていただきます! (2019年6月9日 14時) (レス) id: 63555da9ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:根無し | 作成日時:2019年6月5日 23時

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