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「でもさ、そういうことに興味持つなんて、初恋の…なんやったっけ？そいつの事はもう忘れたん？」
本当に本当にこの人は、私の考えていることなんでもわかってしまう。
「…ずるい人。」
「え？なんか言った？」
「…ほんまに廉は、そういうとこ手厳しい。」
私の顔を覗き込んだ廉。
「…ははーん、なるほどねぇ。
いっちょ前に、二股かけようとしてるAちゃんには言われたないよ。」
そう満足気に言った。
「二股？それとは違うやろ。」
「何が違うん？
初恋の男を忘れられへんのに、違う男が気になるって、やっぱり女はぜいたくな生き物や。」
そう、顎に手を添えて、困ったもんだと言うように私を見てきた廉。
「はあ、それ本気？」
「さあ？どう見える？」
「本気やったら、あなたは何人の女に命を狙われるのでしょうか？」
この人が有名なのは、顔が綺麗なだけじゃない。
「今夜は、お前だけや。
拗ねんなよ。」
私はたくさんいる遊び相手の１人にすぎない。
もっとも、お金が絡んでいる関係なのは私だけで、どこで見つけてくるのやら、彼のまわりには常に女が気配がある。
それほどこの人には、男としての魅力がある。
「そやのになんで、俺のことは好きになってくれへんのやろ？」
「俺がこんなに気に入ってる女、おらへんのに。」
って、私以外の人が聞いたら、泣いて喜ぶようなことをさらっと言ってのける。
「私は、私だけを見てくれる殿方が好きです。」
「あちゃ。俺は論外って？」
そう言って、また面白そうに笑うから、この人にはなんでも見透かされてしまうのに、なんで何を言っても通じないのだろう、なんて思った。
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作者名：ゆう
| 作成日時：2017年9月6日 19時
