ある従者のありふれた結末2 (ページ5)

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「それで、オリヴィア。あなたには力を貸してほしいの。私はどうしてもお姉様を、そして私自身を助けたいの。そしてそのためにはローア家を裁かなければならないのよ」

　ゼロ様は真剣で、悲しげで……そして憎しみや怒りをない交ぜにしたような複雑な顔をしていました。

　嘘はついていないようでしたが、それより気になる点がありました。

「ご主人様、そのローア家の罪、というのは何なのですか？」

「それは少し言えないわ。実は私もあまりこれを言葉にできなくて。私の姉妹をあんな目に……ああ、あれをどう言えば良いのかしら。ともかく、来なさい」

　ひどく震える声をして、ゼロ様は顔を横に振ります。ゼロ様はどうやら、そのローア家の罪……過去の出来事にトラウマを持っているようです。

　やがてゼロ様は立ち上がりました。そして私の手を取ります。私はその手を振りほどく事はせず、そのままついていきます。

「ご主人様……どこに？」

「地下よ。姉妹に会わせてあげる。……姉妹の姿を見ても、驚かないであげてね。私、頑張って皆を治療したの。けれど、助かったのは……ううん。早く行きましょう」

　ぎぃ、ぎぃと歩いて、エレベーターの前につきます。一緒に乗ったのを確認すると、ゼロ様はボタンを押します。軽やかなチャイムと共にドアは閉ざされて、エレベーターは下へと向かいます。