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実験室の扉の先には、第一実験室、第二実験室、第三実験室があります。埃をかぶった廊下を進み、まずは第一実験室から見ていきます。
……。ベッドが一つ置かれています。いえ、ベッドではありませんね。手術台、でしょうか。拘束器具のついた手術台。近くには医療器具の置かれた台があります。いえ、これは医療器具、なのでしょうか?私には医療の知識はないためよく分かりませんが……怪しげなそれらの道具をまじまじと眺めます。どれだけ考えても使い道が全然思い浮かびません。
他には何もないみたいです。次は第二実験室を開けます。こちらも第一実験室と同じ外観をしていました。手術台、医療器具。それだけ。……いえ、待ってください。何か壁に紙が貼りつけられています。
『実験棟への鍵はカレンの中に隠した』
実験棟……?どこでしょう。それにカレンというのは……お嬢様の名前でしょうか。ヒルダ様の時のように、カレン様が何かヒントを知っているのかしら?地下一階のお嬢様方の中にカレン様という方はいらっしゃったかしら?ううん、あまり覚えてないから分からないわ。でもまずは地下二階を調べられるだけ調べてからにしましょう。
第三実験室の扉を開けると、そこにあったのはやっぱり手術室と台だけ。でも台の上に何かメモが置いてあります。
『不安定な状態にあるフローラを鍵穴に使う。鍵はローズマリーかカレンのどちらかにしよう。この処置での結果によってはオーフェリアも使うかもしれないが、それは避けたい』
『オーフェリア:安定』
『ローズマリー:安定』
『カレンを使おう』
いくつかの人名の中に、聞き覚えのあるものが一つ。オーフェリア様?あのオーフェリア様でしょうか。このメモは証拠になるかもしれません。回収し、次は『収容室』へ行きます。
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