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「アッピア・グリーミウム」
魔法で部屋を照らします。その部屋はどうやら、空き部屋のようでした。三枚の絵画が入って左の壁にかけられ固定されています。正面の壁には鏡がはりつけられています。部屋の隅に置かれた、メモ用紙と思わしき古びた紙切れには『H』とだけ書かれています。
三枚の絵画はどれも湖を描いたもののよう。ヒルダ様のお言葉を思い出しましたが、絵画はヒルダ様の言っていた『妖精一人、死体三人』は描いておりません。左端の絵画には、湖に浮かぶ白い死体が一つ。右端の絵画には、湖で戯れる愛らしい妖精が二人。中央の絵画には、水の底で白骨化した死体が無数に描かれていました。
それ以外には特に目を引くようなものはありません。不気味な絵画の部屋なんてあまり長居したくはないので、すぐさま出ます。
次に入ったのは、どうやら作業部屋のよう。広い机の上にはたくさんの紙や本。机の中央のメモ書きを見てみます。
『鍵は…に隠した。…に隠したかを忘れな…ようメモをド…の近くに置い…おくこと。スイッチは全…左端…上に』
これはヒントなのでしょう。肝心の隠し場所まで掠れて読めませんが、覚えておいて損はありません。机の上にメモ書きを戻し、一息つきます。
この部屋で、終わり。調べられるところはすべて調べました。ですがあまり手応えはありません。まあ、そう簡単には見つからないでしょうし、どうにか頑張らないと。
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