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「まず結論から言うと、あなたには私の姉妹達を助けてほしいの」
昼食を食べ終えて食器を片付けた後、エントランスルームでゼロ様はそう言いました。
「そして私の姉妹を助けるために、この家……ローア家の罪を公開したいの。けれど詮索しすぎたせいで、私は他の姉妹と一緒にここに閉じ込められたのよ」
「ちょ、ちょっと待ってください。どういう事ですか?」
突然そんな事を言われて驚いていると、ゼロ様は唸りました。私の肩にとまっているミザリーは、嫌そうな顔をしています。ミザリーはどうやらゼロ様の事がお気に召さない様子でした。
「もしかして城の連中の戯言を信じたわけじゃないでしょうね。私は気が触れてなんかいないし、ましてや人間を殺してなんかいないわ。むしろ……」
そこまで言うと、ゼロ様は軽く咳払い。
「まあ、ともかくそういうわけ。私はローア家の罪を告発しようと探りすぎたからこうして閉じ込められていて、他の姉妹も同じようになっているわけよ」
「そう、なのですか。しかし、それではその……お姉様方は、どちらに?」
「地下よ。皆、もう二度と外に出られないような姿にされてしまって……治療はしたのだけど、ね。私は姉妹を、そして私をこんな風にしたこの家が許せないの。だから、この家を叩き潰してやろうってわけなのよ」
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