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掃除が終わったのは午前十一時半。昼食をとらなくてはなりません。おそらくシュヴァルツヴァルト城のように、この洋館にもシェフがいるのでしょう。ゼロ様曰くあまり美味しくないらしいですが。
そう思いながらキッチンへ向かってみると、なんとそこにいたのはゼロ様!
「ゼロ様?!なぜこちらにいらっしゃるのです?!」
「びっくりしたわね、急に大声を出さないでちょうだい……なぜここにいるか?私くらいしか料理を作れないからよ。食堂へ行って、座ってなさい」
「そのようなわけには……そのような仕事は私に任せてくだされば」
「良いからさっさと行きなさい。これは命令よ」
ゼロ様が強い口調でそう言うので、私は渋々食堂へ向かいます。来た時はやはり埃をかぶっていた食堂でしたが、掃除によりどうにか見られる程度には片付いています。
窓の外から景色を眺めていると、ゼロ様が戻ってきました。お盆を持っていて、その上にはスープとパンが乗っています。
「私の隣に座りなさい」
「は、はい」
どうやら料理をシェアしていただくようです。私はお言葉に甘え、座ります。スープはどうやら野菜スープのようで、中には人参や玉葱、その他根菜と思わしきものが入っています。
「食べ終えたら話すわ。まずは食べなさい」
「はい、かしこまりました」
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