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掃除が終わったのは午前十一時半。昼食をとらなくてはなりません。おそらくシュヴァルツヴァルト城のように、この洋館にもシェフがいるのでしょう。ゼロ様曰くあまり美味しくないらしいですが。

 そう思いながらキッチンへ向かってみると、なんとそこにいたのはゼロ様!

「ゼロ様?!なぜこちらにいらっしゃるのです?!」

「びっくりしたわね、急に大声を出さないでちょうだい……なぜここにいるか?私くらいしか料理を作れないからよ。食堂へ行って、座ってなさい」

「そのようなわけには……そのような仕事は私に任せてくだされば」

「良いからさっさと行きなさい。これは命令よ」

 ゼロ様が強い口調でそう言うので、私は渋々食堂へ向かいます。来た時はやはり埃をかぶっていた食堂でしたが、掃除によりどうにか見られる程度には片付いています。

 窓の外から景色を眺めていると、ゼロ様が戻ってきました。お盆を持っていて、その上にはスープとパンが乗っています。

「私の隣に座りなさい」

「は、はい」

 どうやら料理をシェアしていただくようです。私はお言葉に甘え、座ります。スープはどうやら野菜スープのようで、中には人参や玉葱、その他根菜と思わしきものが入っています。

「食べ終えたら話すわ。まずは食べなさい」

「はい、かしこまりました」

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年5月16日 17時

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