笑顔32 ページ2
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−満月side−
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―翌日。
私はいつものように学校へ来ていた。
教室に来てみると...いつものように黒板に私への悪口が大きく書かれている。
満「...」
私は黙って一人でそのらくがきを黒板消しで消した。
その姿を見て、女子たちはくすくすと笑っていた。
こんなの、慣れてる...大丈夫。
慣れてるよ...
タッタッタ
ガラッ！
駆け足と、思い切り扉が開く音が聞こえると私たちは思わずそちらに振り返る。
そこには...息を切らした健がいた。
満「健...なんで...」
健「...」
健は何も言わずに教室に入り、私の元へ来た。
私から黒板消しを奪い取ると、らくがきを消した。
バンッ！
「キャッ！！」
らくがきを消し終わると、黒板消しを女子たちの方へ投げる。
「健君！何するのよ！！」
健「それはこっちのセリフですよ！！！」
満「...健。」
健「...先輩方、いつまで一ノ瀬先輩をいじめれば気が済むんですか？先輩は何もしてないのに...
あなた方に先輩の何がわかるんですか！？」
健が女子たちにそう怒鳴ると、女子たちは無言になる。
健「先輩は...本当はもっと皆さんと仲良くなりたいと思ってるんです。
一人で大丈夫って言ってるけど、本当は誰かがいないと生きていけない人なんです！」
満「ちょ、健...！」
健「先輩は...本当に本当に優しくて、素敵な人です！
あなた方が先輩をいつまでも傷つけるつもりなら...俺が先輩を守ります。」
満「...」
私はその言葉を聞いて、思わず目を見開く。
私のためにここまで言ってくれた人、今までにいただろうか...
あ...一人だけ、いたな...
健「...先輩を傷つける奴は、俺が許さない。」
あ「え、ちょ...」
健はそうやって言うと、私の手を引いて教室を出る。
私の手を引いたまま、走り出した。
私はただ、その後ろ姿を見て走ってついて行った。
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作者名：紗也
| 作成日時：2016年2月4日 20時
