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冨岡さんが任務から帰ってきた。






時刻はまだ日が沈んでからそこまで経ってない。






随分早い帰りだなー、と思いながらいつも通り玄関まで出迎えに行く。






『あれ?冨岡さん!早かったですね〜!』






「……ああ。」






『ふふ、お帰りなさい!』






いつも通りの会話だったのに、今日はどこか冨岡さんが上の空で。






どうかしたのかな。






今だって、いつもならすぐに返事をして中に入るのに玄関に突っ立ったままだ。






「………A」






不思議に思っていれば、突然呼ばれる自分の名前。






名前で呼ばれたのは初めてだった。






少しだけ動揺してしまったけれど、悟られないよう言葉を返す。






「……俺は、人付き合いは得意じゃない」






……え、うん。






それはすごい知ってる。






隠の間でも水柱様は寡黙で人と話さないって有名だったもん。






風柱様と蛇柱様から嫌われてるとか、そういう噂もあったし。






まぁ、実際この一月半一緒に過ごして、ただただ口下手なだけだということは分かったけれど。






いつもいつも、言葉が足りない人なんだ。






「………………それでも、いいのか。」






ほら、また足りない。






何がいいのかもう全然わかんないよ。






でも冨岡さんの表情は最近分かるようになってきたから。






今は緊張と不安の混ざったような顔をしてる。






人付き合いが得意じゃないけど、いいのか。






その言葉とこの不安げな表情から察するに…………。









冨岡さん専属の隠を続けてくれるのか、ということかな。






もしかしたら誰かに何か言われて私が辞めるとか思い込んでしまったのかもしれない。






そんなわけないのに。






私は彼の不安を取り除きたくて、笑顔でもちろん、と答える。






冨岡さんはすごく優しい人だってもう分かってるから。






彼は私の言葉に安心したように頬を綻ばせる。






「……そうか。よく分かった」






『はい!私の気持ちが伝わったようで何よりです』






さぁ、ほら早く中に入ってください。






冨岡さんは何かを噛み締めるようにゆっくりと、屋敷に足を踏み入れるのだった。

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きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時

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