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それから暫くお互い無言の時間が続いて。
「……もう冷えるな。戻るぞ。」
『そうですね、ちょっと冷たくなっちゃいました』
冨岡さんが立ち上がったのと同時に私も立ち上がった。
やはり夜は冷える。
時計の針はもうとっくに日付を超えていて、今は丑三つ時。
こんな時間まで外の空気に当たっていたので、私の体はもう冷えきっていた。
1人で布団に入っても、中々温まらない。
どうしよう、寒いな。
それに、寂しい。
どうしよう、これ寝室に行ったら夜這いみたいだよね……。
でも人肌恋しくて。
我慢できなくなった私は、冨岡さんの部屋の襖を開けた。
「……どうした」
冨岡さんはまだ寝ていなかったようだ。
机の上に書きかけの紙があることから報告書でも書いていたのだろう。
『……一緒に寝てもらえませんか?』
………恥ずかしい。
冨岡さんの様子を伺えば、目を見開いて固まっている。
そうですよね!ごめんなさいね!
『ご、ごめんなさい、失礼なことを!』
戻りますね、と早口で伝えて襖に手をかければ、待て、という声。
そろりそろりと後ろを向くと、冨岡さんが布団に入って手招きをしている。
「寝るんだろう、こっちへ来い」
『あっ、えっと、はいっ………』
「寒い、早くしろ」
冨岡さんに腕を引っ張られて布団に入れば、ふわりと広がる香り。
澄み渡るような、端正な匂いだ。
どこか捉えどころのない静かな香りは、そっとほどけるような優しさを含んで淡く滲んでいく。
冨岡さんの、匂い。
2人で入る布団はやっぱり狭くて、どうしても体が触れ合ってしまって、匂いも濃くなる。
あぁ、落ち着くなぁ。
どうしてこの人の隣はこんなにも落ち着くんだろう。
声も、匂いも、体温も。
彼の全てが私の心を解していくんだ。
緩やかな温度と、透き通るようなそれでいて優しい仄かな甘さを含んだ匂いに包まれて、私はすぐに意識を手放した。
「……全く、無防備にも程がある。」
冨岡さんのその言葉は、私には届かなかった。
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きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時