【鬼滅の刃】冨岡専用の隠ちゃん。【冨岡義勇】

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義勇さんが任務に出てから1ヶ月が経った。





予定では3週間だったのだが、任務が長引いているということを炭治郎から聞いていた私は、そわそわと水柱邸で義勇さんの帰りを待つ。





炭治郎は大丈夫だと思う、とそう言っていたけれど心配そうな顔をしていたのを見逃せるわけがなくて。





潜入だから帰りが遅くなるのはよくある話なのだけど。





でも1週間も。






しかも潜入先は遊郭なのだ。





もしかしたら、気に入った女性を見つけてしまったのかも、とか。





もしかしたら、鬼に大怪我を負わされたのかも、とか。





最悪の考えが頭を過り、その度にそれを頭から追い出す。





その繰り返しだった。





この1ヶ月は屋敷に溜まっていた洗濯物を洗ったり、布団を干したり、掃除をしたり。





もちろん、隠としての事後処理もやりつつ、だけどね。





早く会って話したいという気持ちと、拒絶されるのが怖いから会いたくないという気持ちとが交錯する。





きっと義勇さんが戻ってきたら驚くだろうなぁ。






扉開けたら自分が振った女がいるんだもの。





迷惑だってことはわかってる。






でも、誤解を解くまでは、自分の本当の気持ちを伝えるまでは。






逃げたらアオイにきっと怒られちゃうしね。






もう時間は昼時。






今日も義勇さんは帰ってこないかもしれない。






でもなんだか、無性に鮭大根を作りたくなった。






鮭と大根を切り、味噌や砂糖などの調味料を入れて煮込む。






完成が近づいて美味しそうな甘い匂いが部屋に充満してきた時、ガラガラ、と扉が開く音。






私はすぐに火を止めて玄関へ駆け出した。






玄関の前には、ずっと待ち望んでいた人が目を大きく見開いて私を見ていて。






『……義勇さんっ！！』






私は我慢ならずに義勇さんの胸へ飛び込んだ。

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