【鬼滅の刃】冨岡専用の隠ちゃん。【冨岡義勇】

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そうは言っても神様は意地悪なわけで。





『義勇さん！！！義勇さん！！！！』





扉を叩いてもなんの返事もない。





もう来るなと言われたのだから開けてくれるわけもないか。





また明日出直そう。





「あれっ、A！おーい、A！！」





とぼとぼと水柱邸から出れば、目の前には炭治郎が居て。





「どうしたんだ？義勇さんに何か用事か？」





『あー…うん、まぁちょっと……』





「そっかぁ、さっき任務に出ちゃったからすれ違いだな」





任務。





そっか、任務だったのか。






義勇さんの気持ちで扉を開けてもらえなかったのかと思った、よかった、と安心したのもつかの間で。





「長期任務だから、戻ってくるの3週間後とかだったと思うぞ」





『さっ、3週間！？！？』





まさかの長期任務。





任務ということは当たり前だが鬼が出るということで。






最近は上弦の鬼も出現したわけだし、命を落とす可能性だって十分にあった。





どうしよう、もし、もし義勇さんの身に何かあったら。





私の不安を匂いで感じ取ったのだろう、炭治郎が心配そうな顔で私の方を見る。





「確か、遊郭に客として潜入する任務だったはずだ。大丈夫、義勇さんはすごく強いから！Aも知ってるだろ？」





『………遊、郭』





「……あっ！あっ、ほら、でも任務だし！義勇さんはほらっ、そういうのに流される人じゃっ…………！！」





炭治郎が焦ったようにわたわたと手を動かすけど、私の心は晴れない。





義勇さんは、そもそも私のことを好きでいてくれたんだろうか。






よく考えれば義勇さんから好きだと言われたことは無いし、もしかしたら私のことを好きだと思ったことは無いかもしれない。





でも、そうだったとしても。





「……A、大丈夫か？」






『うん、大丈夫。義勇さんのこと屋敷で待つことにするよ。』






もう逃げないから。






ちゃんと義勇さんに自分の気持ちを伝えるまでは、もう逃げない。






どんなに拒絶されても、嫌われても、絶対に自分の気持ちを伝えるんだから。

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