part seven 気になる人[次女視点] ページ9
私はAと教室を後にし、通学路をのろのろと歩いていた。
私はAにいろんな質問をぶつけて、困るAの反応を楽しむという、少し最低なことをしながら帰っていた。
今日、一日Aとすごして、なんというか、可愛いなと何回も思った。
とてもやさしくて笑顔も反応も声も何もかもが可愛い女の子。…女の子なんだけどな。
友達とはまた違う、なんというか守ってあげたいというか…
カラ松(んんんん〜〜〜なんだこれぇ〜〜〜)
いつも使わない頭をフル回転させたせいで頭の回転が追い付かず目を回していたら、私の反応に気づいたAが私の顔を不思議そうに見てきた。
貴「カラ松さん、大丈夫?」
カラ松「えっ、あ!大丈夫だぞ!!心配させてすまないな!」
私はいつも通りの笑顔で返事を返すと少しそのことについて考えるのをやめて彼女と話すことにした。
カラ松「Aは部活とか入らないのか?」
貴方「え、部活っ、う、うーん入る予定は特にないんだけど…か、カラ松さんはどこか入るの?」
Aは私を見ながら首を傾げてきいてきた。一つ一つの動作が可愛くてまた可愛いと言いそうになったがそれをこらえ、笑顔で返事を返した。
カラ松「私は、演劇部に入りたいと思っているんだ!」
貴「演劇…!!す、すごいね!私は絶対入る自信ないや。カラ松さんにピッタリかも」
Aは私を見てニコッと笑った。可愛い…
正直演技というには気にはしていた。人の前に立つことが好きだから目立つことをしたいと思っていた。そんな時に見つけた部活が演劇部だった。
貴「カラ松さんなら主役できるんじゃないかな?」
カラ松「えっ、そ、そうだろうか…でもまだ入ってもいないし…演劇なんてやったことないんだ…」
私は頬をぽりぽりと掻きながら目を逸らし本音を打ち明けると彼女はぶんぶんと首を振って私の手を取った。
貴「か、カラ松さんなら大丈夫だよ…!たくさんの人を感動させられる素敵な人になれると思うな!」
私の手をつないで笑顔で見つめてきてくれた。
そのとき、胸がきゅんと高鳴った。
へ…、ど、どうして。
貴「な、なぁんて、私なんかが何言ってんだって感じなんだけど…」
彼女はそっと私の手を離すとまた前を向いて歩きだした。
なんだこれ、知らない。こんな気持ちは初めてだ。
嘘だろ、彼女は女の子だぞ…同性なんだぞ…
私の顔はみるみる熱くなってきた。
横を歩く彼女をみるたび可愛いと思ってしまう。
ああ、そうなのか
私は彼女に恋をした。
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作者名:蘭子さん | 作成日時:2017年11月28日 12時