10話 ページ10
モトキ「じゃあAちゃんまたね!」
貴「うんっ!また来てね!」
皆さんが部屋を出ていきマサイさんと2人になる
マサイ「小日向さん、雰囲気変わったね」
優しい声でそういった
貴「えっ…?そう、かな?」
マサイ「うん、柔らかくなったよ」
ニコッと笑った
何故か胸の奥が締め付けられた
な、に?
動悸…?
…違う…目眩だってないし…
マサイ「…俺もさ…Aって呼んでいい?」
そう言えば…マサイさんは小日向さんって呼んでいたな
貴「いいよ、Aって呼んでください!」
私…笑えてる…
凄いな…全部、マサイさんのお陰
マサイ「やった…じゃあ俺のこともマサイでいいよ?それと敬語もなし」
貴「わ、わかった!」
イヒッとイタズラに笑う
マサイ「てか本当にアスレチック来てくれんの?」
貴「うん、明日検査だから許可が降りたら連れて行って?」
許可出るかな…?
頼み込んででも行かせてもらおう
貴「こんなに楽しかったの久しぶり…なんであんなに嫌がってたんだろう、ってぐらい」
こんな気持ちを教えてくれたのはマサイだから
マサイ「俺もう退院しちゃうけど…抜糸にも来るし、また会いに来てもいい?」
思ってもいなかった言葉にえっ、と間抜けな声が出た
マサイ「いやっ、モトキとかも連れてくるし…その…なんて言うか…」
貴「ふふっ、また来て欲しい」
今度はマサイがえっ、と声を漏らした
マサイ「マジか…よっしゃ…」
小さくガッツポーズをする姿を見て
貴「大袈裟だなぁ…」
呟いてみても
聞こえた様子はなかった
「Aちゃん、調子はどう?」
貴「大丈夫です」
看護師さんに連れられ診察室に行くと優しそうな顔の先生
昔から担当をしてくれている橘田先生
「そうかい、それは良かった。じゃあ着替えて検査しようか」
一通り検査を終えてもう一度診察室に戻る
貴「先生、アスレチックに行きたいです」
「アスレチック?どうして?」
伝えたいことがありすぎたことで
言葉足らずになっていたことに気がつき恥ずかしくなる
貴「お友達に誘われて…私は運動しなくてもその場所に居たいです…お願いします」
「…分かった、ただし激しい運動はしない事。無理はしない事、気分が悪くなったらすぐに休む事。守れる?」
幼稚園児に言い聞かせるようにそう言った
貴「はい、守れます」
そう言うと悲しそうに微笑んだ
「あのねAちゃん、覚悟を決めて欲しいんだ。余命、持って半年だろう」
心臓が大きく波打った
…覚悟はしてたはずなのに
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りん(プロフ) - とても感動しました。本当に素敵な作品でした、これからも応援しています! (2021年7月19日 12時) (レス) id: 455f01eeaa (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - みかんさん» 分かりました!わざわざコメントありがとうございます! (2020年11月9日 22時) (レス) id: 271830f170 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - これも残して欲しいです! (2020年11月8日 21時) (レス) id: f236b70c3f (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - @さん» ありがとうございます!違う作品も読んだらぜひコメントください! (2019年9月23日 9時) (レス) id: 139f9ac550 (このIDを非表示/違反報告)
@ - とても感動しました!!こんな素敵な作品を作ってくれてありがとうございました。違う作品も見てみたいです!! (2019年9月22日 22時) (レス) id: 298780871c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳴海 帆南 | 作成日時:2019年6月6日 16時