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episode10 ページ36

父さんは持っていた缶ビールをダイニングテーブルの上に置くと、空になったのか、くしゃりと握り潰す。




なんだかこれから怒られるような気がして、俺は体を縮こまらせた。




「和真くん、というのか」


白布「うん」


「和真くんは、どういう子なんだ」


白布「和真は…」




頭の中で、和真を思い浮かべる。




今和真はすごく悲しんでいて、辛くて、苦しい思いをしているけれど。




俺の頭の中に浮かんだ和真はいつもヘラヘラしていて、笑っていて。




俺の事が大好きで、いつも俺にくっついて、賢二郎賢二郎って俺の周りをうろうろしていて。




本当に可愛いやつ。




本当に愛おしいやつ。




本当に────バカなやつ。




俺は頭の中に思い浮かべた和真に、フッと短く息を吐いて笑った。




そんな俺を見た父さんと母さんは顔を見合わせると、きょとんとした顔を俺に向けた。




白布「和真は、バカだよ」


「?」


白布「クラスが違うのに、いつも俺の隣にいて、いつも俺にくっついて。賢二郎大好きだよ、って場所構わず言ってきて。すぐに甘えたがるし、すぐに抱きつこうとしてくるし、…本当、手のかかるやつだよ」




父さんと母さんは何も言わずに俺を見つめる。




白布「俺さ…父さんと母さんには言ってなかったけど、和真といろいろあったんだ。話せば長くなるけど……どこから話せばいいのかな。最初から話しても、いい?」




チラ、と父さんを見れば、父さんは頭を縦に振って「ああ」と言った。




白布「和真の両親、昔に…」




俺は時間をかけて、父さんと母さんに和真について話した。




和真のお父さんとお母さんが、和真が小さい頃に亡くなったこと。




和真はおばあさんと二人暮らしをしていたこと。




和真と五色が親戚同士であること。




和真はバスケットボール部に所属をしていること。




料理が得意なこと。




二回、和真の家に泊まりに行ったこと。




全て、包み隠さずに父さんと母さんに和真について話した。





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設定タグ:白布賢二郎 , ハイキュー , HQ   
作品ジャンル:恋愛
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連斗 - 磯野さん!退院おめでとうございます!この作品の投稿!ずっと待ってました!これからも応援させていただきます!無理なく頑張ってください! (2022年10月22日 21時) (レス) id: c0be3ab978 (このIDを非表示/違反報告)
バナナくん(プロフ) - 磯野さんだ〜!!まず退院おめでとうございます!久しぶりに占ツク開いてみたら通知欄に磯野さんの名前があってめっっっっちゃ嬉しかったです!今後も自分のペースで頑張ってください! (2022年9月2日 1時) (レス) @page48 id: 5cd13d94ad (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 彩都さん» 彩都様、ご無沙汰しています!いつもいつも私の作品に目を通して下さりましてありがとうございます!今回はこの時間帯に更新します、とご報告出来ませんがなるだけ毎日更新致しますね。よろしくお願い致します! (2022年8月20日 0時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - おかえりなさい!退院?おめでとうございます!待ってました!磯野様のペースで更新してください!楽しみにしています! (2022年8月20日 0時) (レス) @page10 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ゆぅさん» ゆぅ様、大変長らくお待たせ致しました。随時更新していきますので、よろしくお願い致します! (2022年8月19日 23時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:磯野 | 作成日時:2022年8月19日 21時

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