episode 16ー2 ページ23
白布「だ、だからって…!き、キスするのは…反則だろ…!!」
『あ、ごめん。つい』
白布「お前はついでキスするようなやつなのか!軽すぎだろ!」
『あーあー、軽いって言うなよ。傷付くなあ。これでも俺にとってファーストキスは賢二郎なのに』
白布「え…」
ぽかん、と口を開き、驚いたように目を開く。
今、和真の口から出た「ファーストキス」の言葉を俺は聞き逃さなかった。
俺はてっきり、和真のファーストキスは終わっていると思っていた。
俺の知らない誰かととっくにキスをしていると思っていたのに。
それは勝手な俺の想像で。
実際は、俺と同じく和真も初めてのキスだった。
その事実を知った瞬間、ぼぼ!と俺の顔が真っ赤に染まると同時に心臓がバクバクと震える。
どうしよう、どうしようどうしよう。
和真のファーストキスが俺だと分かって、素直に────嬉しい。
和真はまだ俺以外の誰ともキスをしていないと分かって素直に────喜んでいる。
黒目を左右に動かしながら口をあわあわとさせていれば、そんな俺の顔を見て和真はぷッと吹き出して小さく笑った。
ぽん、と俺の頭の上に手を置いた和真は、「布団取ってくる」と言って立ち上がろうとする。
待て、待てよ。
布団取ってくる、という事は。
まさか、別々で寝るのか!?
そりゃそうだよな。
だってこんな、今にも壊れそうなギシギシ鳴るベッドで男ふたりが寝たら壊れる。
きっと、穴が空く。
寝る場所が違ってて当たり前なんだ。
和真はベッドで、俺は敷布団で。
そうだ、違う場所で寝るんだ。
違う場所で、今夜を過ごすんだ。
俺と和真は一緒の場所じゃなくて────
気付いた時には、俺はベッドに座る和真の腰に腕を回してしがみついていた。
ぎゅ、と目を閉じ、和真を立たせないように力いっぱい腰に腕を回していた。
そんな俺を見て和真は驚いたように目を開いて固まっていた。
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かかお(プロフ) - 磯野さん» はい!楽しみにしております!! (2020年9月26日 8時) (レス) id: 6179b1348a (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - かかおさん» かかお様、おはようございます。コメントありがとうございます。今、泣きそうになりながらかかお様のコメントを5回くらい読みました。嬉しいです!本日もいつもの時間帯に更新致しますので、よろしくお願い致します! (2020年9月26日 8時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
かかお(プロフ) - ここまで読んでいておもしろいと感じた作品は初めてです!本当にキュンキュンします!更新頑張ってください! (2020年9月26日 8時) (レス) id: 6179b1348a (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - らんさん» らん様!この度もコメントありがとうございます!いつもいつもコメントして頂きましてとても嬉しいです!ひとつひとつが長いのでもう第3章ななってしまいました(´;ω;`)5章までいきそうですが、末永くよろしくお願い致します(´;ω;`) (2020年9月24日 23時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメント失礼します。続編おめでとうございます。お話を読んでいるこちら側がドキドキします(笑)主人公が幸せになることを願っています!作者様のご無理のない程度で頑張ってください! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 4c594377a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2020年9月23日 22時