STORY 最終話 ページ25
そんな二人を見つめていれば、河野が俺の片腕を引っ張り、藤田が俺の背中をトンと押した。
「呼ばれてるよ」
「ほら、行け」
二人の顔を交互に見れば、二人も俺に笑顔を見せてくれている。
じわり、と俺の心の奥が熱くなる。
俺は二人の顔を見た後、口の両端を持ち上げて頷いた。
目の前の木兎と赤葦に向けて走る。
早く二人の元に行きたくて行きたくて仕方ない。
俺の特別な────俺の大好きな二人が、俺を呼んでくれている。
それは俺にとって、何よりも幸せなこと。
『おい!!』
駆け寄りながら二人に向けてそう声をかけては、二人は腕を広げた。
俺を待ってくれているその大きな腕に飛び込むように、俺も大きく腕を広げて飛び込んだ。
『おはよ!!!』
もう、一人ぼっちじゃない。
もう、孤独じゃない。
俺は今、温かい人達に包まれている。
俺を呼んでくれる人がいる。
俺を待ってくれている人がいる。
俺を愛してくれる人がいる。
木兎に、赤葦に、そして、友達。
みんなが俺を大切にしてくれたように、俺もみんなの事を大切にしたい。
いや、絶対に大切にしてやる。
雨が降りそうだった鉛色の空は、いつの間にか消え、まるで俺たちの今の気持ちを表すかのように、青空に変わった────。
ーーーーー
END
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磯野(プロフ) - yu-kariさん» こんばんは。コメントありがとうございます。次のHQ小説の内容はまだ決まっていませんが、次回も読んでいただけましたら幸いです。よろしくお願いします。 (2018年10月29日 20時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - 、、、たまらん。(*´∀`*)ポッ次回作楽しみ( ´Д`)= (2018年10月29日 13時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 輝咲囚兎/キサキ シュ-トさん» おはようございます。コメントありがとうございます。最後まで読んで下さいまして誠にありがとうございます。これからも読者様方々におもしろいと思って頂ける作品を作っていこうと思いますので、よろしくお願いします! (2018年10月29日 7時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
輝咲囚兎/キサキ シュ-ト(プロフ) - 最初から最後迄本当に楽しかったです!どちらのルートも応援していたのでとても胸がいっぱいです!ホントに素敵な作品をありがとうございます!! (2018年10月29日 7時) (レス) id: 437cb76d7d (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - おっ、、、あっ、、、。、、、、、ぁぁぁぁあああ!、ぁぁぁぁあああ!最高ぉぉおおおお!最後まで神作ぅぅぅぅぅぅううう! (2018年10月28日 2時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年10月21日 21時