STORY 9 ページ27
俺の左隣に座るなっちゃんを横目で見ると、まだいただきますも言っていないのに、テーブルの上に置かれた唐揚げを指でつまんで食べている。
なっちゃん…そんな美形な顔をして行儀が悪いだなんて、勿体無いよ。
次々にテーブルの上に置かれる料理に、俺は全部食べられるのかと不安になってきた。
でも、せっかくなっちゃんのお母様が作ってくれた料理だもん。
残さず食べなきゃ、だよね。
「及川くん、なにが好きかわからなくて、いっぱい作っちゃった」
及川「全部好きです。ありがとうございます」
「本当、及川くんは小さなときから行儀が良いわよねえ。皐月、見習いなさいよ?」
なっちゃんは唐揚げにレモン汁をかけながら、「んー」と言うだけで、適当に流している。
「全くもう…」と言いながら椅子に腰掛けたなっちゃんのお母ちゃんは、「食べましょう」と言うと俺は手を合わせた。
及川「いただきます」
緊張して、味分かるかな…?
*
意外に、食卓の時間は長かった。
途中、会社から帰ったなっちゃんのお父ちゃんも食卓に加わり、バレーについて俺にいろいろと聞いてきた。
なっちゃんのお父ちゃんも学生時代、バレーボールをしていた時期があったようで、とても会話は弾んだ。
「是非、皐月と仲良くしてやって欲しい」と言うお父ちゃんの願いに、俺は「こちらこそよろしくお願いします」と笑みを向けた。
なっちゃんのお父ちゃん、安心して。
なっちゃんと俺は仲良くするだけじゃなくて、これから愛を育んでいくんだよ。
心の中でフッフッフッ、と笑う俺に、なっちゃんは横目で俺をチラッと見てから、溜息を吐いていた。
長い長い食卓時間が終わり、俺は明日も朝から部活があるため、少し早いが帰宅することを伝えた。
すると、なっちゃんのお母ちゃんが「お土産ね?」と言って、有名なケーキをお土産としてくれた。
その時、俺は完全に忘れていたことに気付く。
せっかくなっちゃんの家に呼ばれたのに、お土産を買うことを忘れていた。
なんて気が利かない男なんだ、俺!
及川「あ、ありがとうございます…」
時間を戻せるなら戻してくれ!と、心の中で叫びながらケーキを受け取り、俺となっちゃんは玄関から外へ出た。
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磯野(プロフ) - 雷雅さん» 雷雅也様、おはようございます!コメントありがとうございます。これからも更新頑張っていきますので、磯野の駄作品をこれからもよろしくお願いします! (2018年6月6日 6時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2018年6月3日 18時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ハリヤヤマさん» おはようございます!以前はコメントありがとうございました!また毎晩のように更新通知を鳴らしてしまいますが、この先もどうぞよろしくお願い致します(;;) (2018年5月30日 8時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ハリヤヤマ - うわー新作だー!とっても面白そうです。かげながら応援するています。これからも沢山の小説期待しています!! (2018年5月30日 8時) (レス) id: 3d7326d260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年5月29日 19時