STORY 20 ページ32
【皇輝side】
及川は俺のことが好き。
たまたま及川から借りた理科の教科書を返しに行った時、机の上に書かれていた「こうき すき」の文字を見てしまった俺は、正直戸惑った。
今まで他人から告白をされたことはあるけれど、それはもちろん異性からで、同性から告白をされたことも、好きだと想われたことも無い。
好きだと告白をされても、俺は誰とも付き合うつもりは無いし、そもそも恋人なんていらない。
だからきっと、及川から告白をされても、俺は断るに違いない。
及川は、俺にとってただの友達じゃない。
特別な関係ではないけれど、及川は俺にとって軽口を叩き合える奴だし、俺がからかうとなかなか面白い反応を示してくれるし、何より大切なバレー部の仲間で部長だ。
だから、何としてでも今の関係は崩したくはないし、今の関係から恋人へ発展させようとも思わない。
何とかして及川に別の人を好きになってもらおうと、俺のことを諦めさせようと必死に考えたけれど、それは違うと心の中の俺が言う。
俺のことを好きになったのは、及川だ。
その気持ちを俺が敢えて変えさせようとするのは、おかしいと思う。
「どうすっかなぁ〜」
席替えをして、久々に教室の一番後ろの席になった俺は、教師の呪文のような朗読を聞きながら天井を見上げた。
*
俺たち３年生にとって最後の大会が近付き、普段の部活の練習は一層厳しくなった。
及川は普段と変わらずに必死に練習に励んでいるし、俺も特に及川を意識するようなことは無かった。
しかし、部活が終わり、部室で着替えをしている俺に、「皇輝！」「脱ぎっぱなしにするなよ！」「ちゃんと汗拭いた！？」と、まるで母親のように言う及川。
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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます！コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます！また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません？弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか？これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年4月10日 17時
