【ワールドトリガー】玉狛支部所属、弓士やってます。 2

58話 ページ10

＿＿＿＿やがて、その時は訪れる。



米屋「挟んだ!」



左右には米屋と三輪、

後ろには…壁。

逃げ場のない状況だ。



空閑「『弾』印(バウンド)」



ｷｨﾝ...と光るその印を、

遊真は勢いよく踏み込む。



ﾄﾞﾝｯ!! と、駅のトタン屋根が破壊された。



空閑「狭いとこだと、めんどうだな」



…その遥か彼方。

ﾁｶｯ...と光る、2つの"何か"。



ビシッ!!!



遊真が反応したその瞬間、

2発の銃弾が打たれ、



1発が、彼の腕を吹き飛ばす…ッ‼



切り口からは、先程の様に、

トリオンが溢れ出た。



古寺「当てた! さすが奈良坂先輩」



…しかし、この長距離射撃を

当てた張本人である奈良坂は、

チッと舌打ちをした。



奈良坂「あれは"はずれ"だ。

即死させるチャンスだった」



完全な不意打ちにも

遊真は、最低限の反応をしてみせたのだ。



＿＿＿＿この距離じゃ、もう当たらないな。



奈良坂「俺はやつが

"反応してもかわせない距離"まで近づく。



おまえはここで、やつを牽制し続けろ」



古寺「了解!」



着地した遊真の腕からは、

未だにトリオンが溢れ続けている。



雨取「遊真くんのうでが…!」



ボーダーではない千佳にとっては、

なかなかに酷な光景であろう。

衝撃に、彼女は口元を覆う。



A級二人に、狙撃手までいる。

無茶だ…と思いながらも、



修は疑問を抱いていた。



＿＿＿＿いや、それにしても…



米屋「あーあ、

やっぱ一対一で戦りたかったなー。



反撃がなきゃイジメみたくなっちゃうじゃん」



＿＿＿＿…そうだ。

空閑にしては、おとなしすぎる。



三雲「空閑はなんで反撃しないんだ?

空閑の強さはあんなもんじゃないはずだろ」



彼は疑問に耐えかねて、レプリカに尋ねる。



レプリカ『ふむ、

私が考えるに、その理由は二つある。



まず一つは、

単純に相手の位置取りがうまい』



レプリカは、相手の戦術を分析し始める。



レプリカ『近づくときは、絶えず片方が

ユーマの死角に回りこみ、



ユーマが一方を相手にすれば、

もう一方が、

すぐにその隙をつける様に動いてる。



ユーマは広い場所に出て

挟み撃ちを回避しようとしたが、

それも読まれていて狙い撃たれた』



A「…A級三輪隊。

さすがに戦い慣れてる」



三雲「じゃあ、

普通に手も足も出ないってことなのか⁉」



レプリカ『いや、確かに手強いが、

ユーマが勝てない相手ではない』

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