すぐ終わるからって ページ24
「…俺、あの子に出会って全てが変わった気がするんだ。
守りたい、そう思った初めての人だった。
…でも、してもらうばかりで結局、最後まで俺は何も出来なかったんだ」
ジェファンは、俺の知らない誰かの話をしているような気がした。
その子に向けての後悔の話を。
「もう、その子とは会えないの?」
「…うん。会えない。
もっとそばにいて、笑顔にさせてあげたかったなって。俺のまだ未熟な歌声でもあの子は笑って素敵だって褒めてくれたんだ。
もっともっと上手くなって、あの子に聴かせてあげたかった。
…きっと俺はあの子が好きだったんだ」
俯くジェファン。その閉じた瞼から、涙が何粒か零れ落ちた。
「…俺、何話してんだろ。
ごめんなジニョン」
「ジェファンにも春が来てたんだね」
「なんだよその言い方。
そっかお前はエブリデイ春だからかムカつく奴め」
「Everytime〜,Everywhere〜」と歌うジェファン。まるで大雨が上がって青空が戻ってきたかのように、もういつも通りの明るい姿に戻っていた。
「俺ももう春は終わってるよ」
「え、そなの」
「まあ心の中にはあるけど」
「どういう意味だよわからん奴め」
周りから見たらもう春じゃないけど、俺の心にはいつもいるってこと。と笑って言うと、彼はそういう言葉のあや的なの苦手なのー!と頬を膨らませた。
もう、君のことを考えて後悔するのはやめようか。
君が悲しむだけだ。
この気持ちはもう終わりにして、明るく生きよう。
ジェファンの姿を見て、なぜだかそう思えた。
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gumi - 真実さん» そういうことを言って頂けて本当に嬉しいです。最近占ツクには全然来れていなくて、久しぶりにここを見に来たのですが嬉しいコメントが来ていてとても心が暖かくなりました。他のも読んでくださったのですか!?ありがとうございます! (2018年11月11日 21時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - ただただ感動しました。こんなに人を泣かされる作品を作れる方は本当にすごいです。他の作品も少し読ませていただいたのですが、全部良くて、また読み返したいなと思います。 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 77640d9d62 (このIDを非表示/違反報告)
gumi - パジさん» 返信遅くなって申し訳ありません!わー!ありがとうございます!文を書くのは好きなのですが得意な訳では無いので、伝えたいことがきちんと伝わるか心配だったのですが…(><) そんなにたくさんのことを感じていただけたなんて私は幸せものです!ありがとうございます^^ (2018年7月2日 3時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
パジ - はじめまして!全部読みました!結構速い段階から泣きっぱなしでした…なのに読み終わった後は何だか笑顔になれて、私もいつか素敵な人に合えるのかなとか、もっと家族や友達を大切にしようと思えるような、素敵なお話だと思いました。 (2018年6月26日 23時) (レス) id: 85af0eaaac (このIDを非表示/違反報告)
gumi - KooKさん» わー!すごい嬉しいです!!全部読んでくださったのですか!?ありがとうございます!! (2018年4月28日 23時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:gumi | 作成日時:2018年2月9日 16時