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>Meguro side.
『Aさん、休憩します？』
「うん、そうだね、」
夢中になって、もうそろそろ2時間くらい経つかな。
息のあがる俺に比べて、彼女はまだまだ余裕そう。
床に座り込めば、「はい、」とAさんがペットボトルを俺に渡してくれた。
さっきまでより格段に、表情が柔らかくなってるのがわかって、ここに来て良かったなって思いながら、
受け取ったペットボトルの水を飲んだ。
「よいしょ、」
Aさんが俺の横に座った。
ほのかに甘いシャンプーの香りがする。
「バテてんね、」
『Aさんが体力おばけなだけっすよ、普通2時間ぶっ通しでやったらきついですって。』
「まあ確かに、私が人に自慢できるのって体力くらいかな、」
ふふっと、Aさんの口元が緩んだ。
ゆるりと曲げられた唇は綺麗に弧を描く。
俺の気持ちを伝えたら、Aさんの返事を受け入れたら、
…この笑顔はもう見られなくなる？
どく、どく、どく。
苦しくなるくらい早く。心臓が動いてる。
怖い。
Aさんがいつも俺に言おうとする、ごめんの続きを聞くのは。
今でさえこんなに痛い胸が、それを聞いたらどれくらい痛むのか。想像するだけで辛い。
『Aさん、』
名前を呼べば、いつもみたいに。
少し茶色がかった瞳が俺を向く。
地面に座って、足を伸ばしながら両手を床につく彼女。
……もう、終わりにしなきゃ。
スッと息を吸って吐いて。
「っ、目黒、？」
Aさんに覆いかぶさるように、体を動かした。
驚きで、見開かれた彼女の瞳。
その奥はゆらゆら。
不安と焦りと悲しみと。
いろんな感情が混じり合って揺れている。
その細い腕に、指をかけた。
…答えなんてわかってるけど、
だけどもう一度だけぶつかりたい。真正面から。
俺の覚悟が伝わったのか、Aさんの目が真剣な色に変わった。
貫くみたいに真っ直ぐな彼女の視線と、俺の視線が交わる。
その瞳がうっすら濡れていて、Aさんはグッと下唇を噛んだ。
だけど絶対に俺から目を逸らさないところが、彼女らしい。
喉が熱くなって、苦しくて。
目の奥が熱くなる。
こみ上げてきたものが溢れないように、
奥歯を噛みしめながらゆっくりと、俺は口を開いた。
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こゆき(プロフ) - *なべふか*さん» 最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました…！！そのように言っていただけてとても嬉しいです…！新作もよろしくお願いします！！ (2020年6月25日 10時) (
レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
*なべふか* - お疲れ様でした*ストーリー素敵過ぎです!!最後の展開は号泣でした､､､今読み終えすごくロスしております笑また1から読んでみようと思います^^ありがとうございました!新作も覗かせて頂きますﾈ!! (2020年6月25日 0時) (レス) id: 2b33477f89 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 名無し85099号さん» コメントありがとうございます…！！リアルですか…！嬉しいです！！こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！今後もよろしくお願いします…！ (2020年6月24日 18時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し85099号(プロフ) - ほんとになにかどこかのドラマか映画を見ている感覚になるほどストーリーが素敵でした！そしてまたふっかさんがリアル(涙)ほんとに面白かったです有難うございました！ (2020年6月23日 18時) (レス) id: ead5991952 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 希依良さん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！！とてもありがたいお言葉嬉しいです…！今後もよろしくお願いします！！ (2020年6月19日 10時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年6月1日 15時
