第22話 ページ24
『若武達、ここ来てくれるって』
さっきまで、連絡を取ってくれていた翼さんが戻ってくる
まだ少し震えている叶を、慰めている俺に、翼さんが質問してきた
『ねぇ、ちょっとこんな事聞くのっておかしいと思うけど、叶は、なんでそんなに怯えてるの?』
言われた瞬間、叶が肩を揺らした
そう、叶は、異常やな、って思うほど怖がっていた
なんてゆうか、人に
『翼さん、それについてはあんまり、』
九蘭がとめにかかる
すると、俺の横から、小さな声が聞こえてきた
『··九蘭くん、大丈夫、僕、話すから』
だいぶ震えも収まった叶が、口を開いていた
『でも、お前···』
九蘭は、言いかけてやめた
俺も、なるべく口を挟むのはやめた
叶は、途切れ途切れ話し始めた
『僕、昔、モデルやってたんだ。その時は東京に住んでたし、仕事もそれなりに頑張ってた。だけど、そういう仕事って、結構熱狂的なファンみたいな人達がいて。なんで、ちょっとしたストーカー被害があったみたいなんです』
『ちょっと待って、あったみたいってどういうこと?』
翼さんが、真剣な顔で叶を見る
『僕、その時、小学校3年生くらいで、母親や、マネージャーさんが隠してたらしいんです』
『でもある日、僕が学校から帰ってきたら、ランドセルの中に手紙が入ってて、その手紙に、今から行くよ、待っててねって書いてあったんです。僕、友達と遊ぶ約束だと思って、急いで家を出ました。そしたら、道の真ん中に、女の人が立ってて。』
『誘拐されたんです』
そこまでを、淡々と話す叶は、なんにも考えてないように見えた
『それで、誘拐されてから、1週間経ちました。その間の記憶は全くありません。ゼロって言ってもいいほどに。でも、警察の人が部屋に踏み込んできたのは覚えてます。そのときから、なんでかわかんないけど、女の人が怖くなって、』
叶が言葉を詰まらせた
俺も辛くなって、目をそらす
『だから、モデルもやめて、前髪も伸ばして、田舎に引っ越したんです。そこで、九蘭くん達と会って、一気に毎日が楽しくなりました。あと、彩さんも、なぜか不思議と怖くなかったんです』
『そっか、』
翼さんはそう言うと、叶の前に立った
そんで、いきなり叶を抱きしめた
突然の事で、目が点になってる叶
『辛かったこと、話してくれてありがとう。俺達も、叶の味方だから。』
『···はい、』
翼さんが、そっと離れた
『ほら、みんな来たよ』
41人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠風 - 初めまして。ニコニコさん。妹と更新されるのを楽しみに待っていました。違う所でも、頑張ってください。応援しています🎵 (2022年1月16日 11時) (レス) id: c5f6115cf4 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ(プロフ) - 美波さん» そうなんですね!分かりました。ありがとうございますした(*`・ω・)ゞ (2019年3月25日 20時) (レス) id: 57ff5c05e6 (このIDを非表示/違反報告)
美波 - ニコニコさん» ニコニコ、こんばんは。友達になったあと、あまりコンタクト取れなくてごめん。私、占いツクール一時期退会します。迷子になるシリーズ、とっても面白いよ!退会についての最新は美波のホムペから。 (2019年3月24日 20時) (レス) id: d5a405b686 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ(プロフ) - 芙祐さん» ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!頑張りますね! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 57ff5c05e6 (このIDを非表示/違反報告)
芙祐 - 凄く面白いです。更新されるのをいつも楽しみにしています。更新頑張ってください!これからも応援しています! (2018年12月15日 18時) (レス) id: 5915b0673b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ニコニコ | 作成日時:2017年10月31日 19時