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1/20,コロラド州 アスペン空港 no1 ページ1

歩夢side
 

 俺はソファの背もたれに体重を預けて、空港の高い天井をぼうっと眺めていた。

 予定外のことが次々に起こって、精神面への疲労度がかなり高い。

 体は元気だけど。

 本当なら、今頃ボードに乗って調整しているはずなのだから。

 ここ、アスペン空港に着いたとたん、俺の通訳兼マネージャーの携帯に家族から電話が入った。

 家族が突然倒れたらしく、かなりの焦り用だった。

 それでも仕事を全うしようとする彼に、俺は小さく笑ってこう言った。

  ”俺は大丈夫だから、帰っていいよ”

 彼は安堵したかのような笑みを浮かべると、足早に空港カウンターへと向かった。

 偶然すぐ帰国便に乗り継げる便があったらしく、「ごめん歩夢! ありがとう!」と言うとすぐに去ってしまった。

 ……実際、大丈夫だと思っていた。

 ここから宿泊予定のロッジがあるところまではタクシーですぐだ。英語はそれなりにできる。……だが。

 預けた荷物のうちの……それも一番大事なボードが、何かの手違いで別の空港に行ってしまったのである。

 調べてもらうと、アメリカ国内のわりとすぐ近くの空港に運搬されてしまっていたらしい。

 不幸中の幸いだ。成田から乗ったから、世界のどこに行ってもおかしくないからな。

 空港のスタッフの話によると、数時間でボードは戻ってくるらしい。まあ、大事にならずにすんだな。……だけど。

 オリンピックの準備(前回メダリストということで取材が多かった)で、片山よりもだいぶ遅く現地入りになったから、一刻も早くボードを走らせたかった。

 パイプは会場ごとによって高さや角度、雪の状態が違う。早く現地のパイプに慣れたかった。

 しかし、ボートは手元には少なくともあと数刻は戻ってこない。

 戻ってくるまでまだまだ時間はあるのだから、どこか移動して気分転換してもよかったけど、精神的に疲れてしまったそんな気分になれなかった。

『はあ……』

 ん……?

 無意識のうちに嘆息をすると、絶妙なタイミングで同じような溜息が俺の声に重なった。

 済んだ女の声だった。だが、彼女も溜息をつくような状況であるからか、疲労感の入り混じった声だった。

 俺は気になって、声のした方……自分の左隣を向いた。

1/20,コロラド州 アスペン空港 no2→



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設定タグ:夢小説 , 長編 , 平野歩夢   
作品ジャンル:恋愛
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chopomuupimuu(プロフ) - こんばんは、以前、読ませていただいていたものです。読みたいと思って、検索したら、パスワードを入力してくださいと出ました…よかったらパスワード教えてください🙇 (1月18日 23時) (レス) id: 6e5665fccd (このIDを非表示/違反報告)
泰人(プロフ) - ぽんぽこさん» ずっと探してくださっていたのですね!消えてしまっていたようですみません……。また探して呼んでくださるなんて嬉しいです!続きを更新中なので、読んでくださったら幸いです。コメントありがとうございました! (2022年3月7日 15時) (レス) id: b87ce5cd96 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぽこ(プロフ) - 何年か前に読ませていただいたのですが題名なども覚えておらず、うろ覚えな記憶を辿ってずっと探していたお話にまた巡り会えて嬉しいです!復活してくださりありがとうございます! (2022年3月6日 13時) (レス) id: e9223fbd65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:泰人 | 作者ホームページ:http://walktodream.blog.fc2.com  
作成日時:2022年2月17日 18時

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