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私を保健室に連れていくと、逃げて行くように去ろうとしていたから私は引き止めた。
(この際はっきりさせたいし。)
『まって。』
「え……？」
『何が起こってたの……？』
「は……？お前が1番知ってんじゃねーの……？」
『騙されたとか…そういう話だよ。』
「あぁ……。」
「単純だよ。あの先輩達、俺の机に嫌がらせしてそれを見た俺が誰がやったって言ったらお前って言ってて俺はそれをすっかり信じちゃったってわけ」
『そうだったんだ……』
「あのさ」
「今までごめん」
『え……？』
「今までずっとそれがAがしたのかと思ってて、他の奴らにもするかもって思って関わるなって言って突き放して。」
「今思えば俺がちゃんとAに聞けばよかったんだよな。俺逃げてばっかりだ。」
『ううん。そんな事ないよ。』
「え……？」
『元木さんは、私が先輩達にやられていて、助けてくれたんだもん。』
『そんなこと、みんな怖くて出来ないよ。』
『元木さんだから出来たことなんだよ。』
『私は、別に怒ってる訳じゃないし、本当のこと聞けてよかったよ。』
「A……。」
『今更だけどさ、友達になろうよ。1から。』
「俺なんかが友達になっても面白くないよ」
「俺あいつらとは違ってブスだし、話もつまんないし……」
『そんなことない！』
『私が友達になりたいって言ってるんだから素直に友達になろって言いなよ！』
『もっと自分に自信もっていいんだよ。』
「ありがとう。」
「俺、Aのおかげで変われたような気がする」
「俺ずっと女子が苦手で、自分から逃げてばっかりでどーしよーもなかった。だけど、今わかった。逃げてばっかりじゃダメだって。」
「あいつらにも酷いことしたし、向き合わないと行けないよな。」
『私も一緒に行くよ。』
「ありがとう。」
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作者名：元木湧の左手 | 作成日時：2021年10月25日 0時
