浮気ごっこ【五条悟】【伏黒恵】

懐かしくて ページ12

恵と会った日から私は真剣に考え始めた


悟と向き合う決意をして


「いつなら空いてるのかな…」


ふとカレンダーに目をやる


そういえばもうすぐ悟の誕生日なんだ


何年もお祝いなんてお互いにしてないから忘れていた


高専時代はあんなに楽しみだったのにな


「一応、声かけてみようかな。」


なんて単純思考でスマホを手に取る


いやでもやっぱり


「緊張するー…」


連絡はたまに取る


でもデートの約束はここ数年していない


私もうアラサーだよ？


結婚どころかデートする機会すらないって女として終わってないか？


そう思いつつ悟とのトーク画面を開く


A悟、12月7日って誕生日じゃん。久々にちゃんとお祝いしたいなーって思ったんだけど、空いてる?


なんだ久々にちゃんとって


この時点でおかしくないか


と、今までは気付かなかった違和感を次々と感じ始める


するとすぐに返信がきた


悟え、僕の誕生日お祝いしたいの?すごい嬉しいんだけど、その前の日から海外に出張なんだよね


おやまあ、それは仕方ないね


というか私ってとことん運ないよね


タイミングが悪いというか…


じゃあ仕方ないね、頑張ってねと、諦めの返事をしようとした時だった


悟イブの日は?A空いてる?


「え」


まさか誘われる側になるとは思わずこれ以上にないくらい驚いた


「まじ？現実？夢じゃない？」


A空いてるけど、本当に会えるの?


現実味がなく私が自信のない返事を送ると


悟もちろん、約束だよ


約束…その言葉が胸に響いて私は無意識に微笑んでいた


A分かった、すごい楽しみにしてるね。


悟僕もだよ、すごい楽しみにしてて。


「わあ、なんだろこれ」


久々の感覚に胸が高鳴りベッドへダイブする


そして天井を見つめながら


「昔に戻ったみたい…」


そう呟いた


すぐさま恵に連絡しようと再びスマホを手に取る


A恵!悟のこと誘えたよ!むしろ誘われたというか、イブに会う約束した


数分後に返信がきた


恵それなら良かったです。浮かれすぎないでちゃんと話してくださいね。


私の性格を分かった上での恵の反応に目を瞑って反省する


Aそうでした…反省して挑みます!


恵はい、健闘を祈ります。


そうして悟の誕生日の日はお祝いメッセージだけを送り、私はイブの日を待ち望んだ

約束→←笑えない

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