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セイヤside
繁華街を歩くと見慣れた蛍光色の警備のおっちゃん。
すがる思いでおっちゃんに道を聞くと、気怠そうに前を歩き始めた。
慣れない街で目的の飲食店に着かず歩き回っていたため、汗でTシャツが湿っていた。
湿ったそれに風が吹き、夏場の熱を持った俺たちの体を冷やして行った。
目的地に着くと、オカザワが申し訳なさそうに、「すんません」とおっちゃんに頭を下げると、無愛想に手を振って、繁華街の暗闇へと消えて行った。
飲食店には長い廊下がある。
長い廊下は、初めて来た時、「クソ長い廊下」と思ったが、
さっき黙って出て行った部屋にいざ入ろうと向かうと、「クソ長い廊下」も、クソ短く感じた。
廊下の壁は塗りっぱなしになっていて細いため、腕に時々当たって、不愉快だったが、今ではその痛ささえも愛おしい。
部屋の前に着くと、オカザワは俺に目を合わせると、さぁ、と言うようにドアを開けた。
一瞬にして部屋は静まり返ったか、俺はそれに構いませず、元の席、ソゴウの隣に座った。
ソゴウは一瞬、戸惑いを見せたがその後はなにもなく、周囲のさっきの静けさもまるで嘘のようだった。
打ち上げも終わり、お開きになると、すずちゃんとあやちゃんは俺の元に来て、今日のライブの感想を話し始めた。
「今日は本当に誘っていただきありがとうございました!ホントかっこよかったです!!また誘ってください!」
あ「私もいいですか…笑」
セ「おぉ!もち!また2人で来てや!全然喋れんかったし、暫くここら辺に滞在予定やから明日とかヒマやったらどっか行かへん?いや、無理やったらええねん!ホンマ全然気にせんで!…ライブの感想とか聞きたいなぁって思ってな。。」
「いいんですか??!是非!!」
あ「私明日バイトなんですうぁぁあ!また今度よろしくお願いします!」
自分は自分で何を言っているのかわからなくなったが、嬉しさのあまりついつい口元が緩み、笑みが出そうになったが、それを抑えて「そんじゃあ行くで!」と、いい、ハイカラの運転する車の助手席に乗り込み、2人を送る事に。
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ネズミちゃん - お話拝見しました!これからの展開がとても気になりますね!それに洋平さんも出ててイケメンパラダイスなところがとても魅力です! (2016年11月22日 6時) (レス) id: 52fc4bbb8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かな | 作成日時:2016年8月8日 2時