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三十行目 ページ30

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「体育祭呼び出し早すぎるよみゆきちゃん。今七時十五分」
「だってさあ!最後だよ!体育祭!」
そりゃあ体育祭は最後だけど、私は今めちゃくちゃ眠いんだって!という言葉も、「牛島に見せんでしょ」という言葉に掻き消された。

若利くんは最近、ユース合宿に行って帰ってきたばっかりだ。実りあるものになったそうで、私は嬉しい。彼の新しい一歩を、私は誇らしく、そして何よりも嬉しく思うから。
頑張ってね、と伝えると、お前も、と返してくれる彼が好きだ。
「今年はリクエストに応えてやろ〜っと仕方ないから」
「私リクエストした?」
「いや牛島からリクエスト入ってる」
「若利くんから!?」
だってあいつ、一昨年も去年も三つ編みがいいってうるさいんだもん、とやけにニコニコしながらそんなことを口にするみゆきちゃんを見て自然と眉間にシワが寄った。同時に体温が顔に集中しているような気分になる。いつの間に!?若利くんが!?
「だって同じクラスだしいつでも話せるよ。ごめんねAちゃんだけと話してなくて愛しのワカトシくんが…」
「もうそんな風に言ってないでしょ!」
「あ!動かないで!ハチマキと一緒に編み込むの難しいんだから!」

みゆきちゃんの、朝五時起きで仕上げたというツインテールがふわふわと揺れる。美少女に小細工は必要ない、という彼女は紛れもなく本物だ。細かく巻かれた髪の毛が愛くるしい。私もこんな風に、すぐに巻かれてくれる髪の毛なら良かったのに。
「ねえお花ぶっ刺していい?」
「だめ」
「おっけー」
「あっ今刺したでしょ!」
「もおいいじゃんいいじゃんやってもらってるんでしょアンタ」
「それはありがとうございます…」
私の頭のどこかに小さな造花を指したらしいみゆきちゃんは、満足そうに上出来。と呟くと、サッと立ち上がった。

「どこ行くの?」
「は?何言ってんの牛島のとこに決まってんでしょ」
「なんで!?」
「開会式すぎたら女に囲まれるでしょ!!せっかく用具係で外に出てんだから行くよ!」
「嫌だよ!ああッ!!この馬鹿力〜!!」





あなたって、ちょっと前の話ですけど、インタビューで好きな女性のタイプを訊かれたとき、長い黒髪で三つ編み、って答えてましたけど、あれってどういう意味ですか?

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ゆに(プロフ) - あゆむさんの物語の書き方、構成、全部好きです!これからも更新頑張ってください。ずーっと応援しています!! (2019年1月5日 13時) (レス) id: 2609f34306 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - 覚編も合わせ全編読ませていただいています! (2019年1月5日 13時) (レス) id: 2609f34306 (このIDを非表示/違反報告)
梅星饅頭(プロフ) - ご、ご本が出るんですか!??これは買わないといけない……ア"ッ分かります需要と供給がまっったく一致していないですよね…つらい! 今年も一ページ目から一文字一文字若利くんの尊さを感じて新年迎えさせていただきます。お体に気を付けて あゆむさまもよいお年を! (2018年12月31日 23時) (レス) id: baf07f2d20 (このIDを非表示/違反報告)
くー(プロフ) - 本だァ“ァ“ァ“ァ”ァ“ァ”!!!めっちゃ楽しみにしてます!!!! (2018年12月23日 15時) (レス) id: 4b69e817ff (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 本めちゃくちゃ欲しいです!!書籍化になるのを楽しみにしています。 (2018年12月23日 15時) (レス) id: 0e45367a12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あゆむ | 作成日時:2017年12月28日 20時

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