籠の中の鳥は耐えられない【KnightA】 (ページ4)

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ヤクザかマフィアか知らないけど悪い組織だと思われがちで、私も苗字を名乗るだけでビビられていた。友達なんて出来るはずもない。

そんな私を支えてくれたのが本の世界と組のみんな、たった1人の大切なお仲間で。

ばぁう｢お嬢〜、まーた本？よく飽きないね｣

あ｢ねーえ、ゆきむは？｣

ばぁう｢はあ？｣

あ｢最近ゆきむに会ってないじゃん！せっかく通信制仲間だし同じヤクザの子供仲間なのに！！｣

ばぁう｢あいつなぁ…、お嬢の前では優しいけどそうでもないぞ？｣

あ｢何それ｣

ばぁう｢だって口悪いし敵殺すとき容赦ねーし気分を害するやつがいたら秒で消すし。…お嬢の婚約者だし｣

あ｢婚約者？そんなの親同士が勝手にそうなったらいいねって言ってるだけでしょ｣

ばぁう｢危機感ないな〜。マジで気をつけた方がいいって！！守れるだけ守るけどさ！！お嬢結婚したくねーんだろ？｣

あ｢おうちに図書館作ってくれる婚約者が欲しい｣

ばぁう｢何言ってんだお嬢｣

あ｢図書館欲しい！！｣

ばぁう｢ワガママにも程があるだろ！！図書館と本以外欲しがらないくせに｣

いつもうるさいこの人はばぁう兄ちゃん。幹部。なんか強いらしいけどよく分からない。あと本の良さ分かってくれない。でも貸した本は読んでくれるし感想もくれるいい人。

いつも突っかかってきてはゆきむの悪口を言う。
ばぁうってのはもちろん本名じゃない。なんかコードネーム的なやつらしい。

あ｢もうばぁう兄ちゃんやだ。うるさい｣

ばぁう｢はあ！？勉強見てやろうかと思って来てやったんだろ｣

あ｢レポート全部終わってるし何しろって言うわけ｣

ばぁう｢えマジで？…お嬢賢いのな｣

あ｢やることないからやっただけ｣

ばぁう｢まあ偉いじゃん。今度仕事で出た時にスイーツ買ってきてやるよ｣

あ｢本がいい｣

ばぁう｢ワガママだな。俺はもうスイーツ買う気分なの。何がいいかくらいは聞いてやるよ｣

あ｢………モンブラン｣

ばぁう｢おけ。俺が暇になったわ〜。適当にゴミ野郎潰そ｣

あ｢行ってら〜｣