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★欲しいなら… ページ9

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 今日は、久しぶりのオフだったので、幼馴染を連れて、ショッピングモールに来ています。マスクと眼鏡とウイッグを装備して、変装はばっちり! 声の質もワントーン上げて、俺自身は完璧に別人となりましたが……。俺の幼馴染はというと、




「……ねみぃ〜よ。ふぁぁ〜あ、俺今日動画撮るつもりじゃったんだけど、なしてくれんの」


 絶賛反抗期真っ盛りの思春期男子ですね、ハイ。
 早朝からインターフォンを連打して、たたき起こした甲斐がありますね〜、うん。




「そもそもさぁ、合鍵持っとるんじゃけぇ、あがいに連打せんでもようない? ふつーに近所めーわく...」


 いつもと違いふにゃふにゃとした声で、文句を垂れる幼馴染に、あーごめんごめん、と空謝(からあやま)りをする。ぐでーっと某たまごの様に俺の背に寄りかかる姿は普段のとしきからは想像もつかないだろう。



『……だって、今日の買い物はキミがいないと、成立しないんだもん。仕方ないじゃん?』

「だって今日はー、じゃないんだよ。いつものことじゃろ。いつもの〜!」

『えー、最近はちゃんと自律しとるよ? 俺』

「……自分をコントロールするのは当たり前。お前はいつも俺に甘え過ぎなの」


 歩いているうちに意識が覚醒してきたのか、自然と方言が抜けていくとしき。それに反比例するように俺の方は方言が付属していく。




「……んで、今日はどこにいくの?」

『ショッピングモール……?』

「そうじゃなくて。あー、質問が悪かったな。何買いに行くの?」

『ん〜、ポストカード。としきのお母さんに近況報告でもしようかと思ってさ』

「……どうしてまた、いきなり? それにそういうのは必要ないって―――」

『事務所にさ、綺麗なポストカードが届いたんだよね、もちろんファンの子から』

『それでさ、あ〜……ええなぁ送りたいって思うたんじゃ。としきもこの間、LINEのスクショあげてたでしょ?』



 まあ、あげてたけど、と としきは気まずそうに顔をしかめて、目をそらした。



『たまにはさ、いいじゃん? ね?』

「たまにはって、結構な頻度で送ってるだろ」

『そんなことないよ。弟君とはよく文通してるけど』

「ほら、しょっちゅうやり取りしてるじゃん。何をいまさら」



 すっとぼけるなとデコピンをくらわされ、痛みに悶えながら、でもさ……と続ける。


『こんな世の中だし、感謝くらい…しておきたいんだよね』









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若宮(スイス/シャラルー☆)(プロフ) - いろはさん» わわわわ…! コメントありがとうございます。綺麗な文章だなんて言われ慣れて無く、気が動転してしまいました💧 なけなしの語彙力と文章構成能力で執筆しているので、むれがありますが、書けるときにゆっくりと更新していきますので、続編もよろしくお願いします。 (2022年3月25日 23時) (レス) id: 85bfe49477 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - 文字って主さんが書いているんですか??急でごめんなさい。そうだとしたら綺麗すぎません?!尊敬します…これからも頑張ってください! (2022年3月25日 19時) (レス) @page2 id: 16f74b0176 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャラルー☆ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年7月21日 23時

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