★やっぱり飯は ページ6
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アフレコ、インタビュー、レコーディング……と今日も今日とてハードな一日を終える。
空いている日は空いているのに、詰まる日はとことん詰め込まれているのは何故なんだろうか。
ドッカと座ったソファは、自身の重さの分だけ沈み込み、疲れ切った体を見事に抱きとめてくれた。
あ〜……腹減ったなぁ。なんてボヤいても飯が出てくるわけでもなく、現場でもらった差し入れもお菓子ばかり。腹持ちの良い食べ物なんてありゃしない。
『あ〜、飯作んのだる……』
最近はずっと、幼馴染に甘えてばっかりだったから、たまには……なんて思って家に帰るんじゃなかった...と後悔。アイツんち……冷蔵庫の中、健康的だったなぁ(笑)
自炊なんて何か月ぶりだ?ってくらいさぼってたから、もちろん自宅の冷蔵庫は空っぽだし、ウーバーとかはちょっとなぁ……。
今から食品買い出しに……とか、思ったけど、どこも閉まってるよなぁ、23時なんて。
『……としきの飯が食いたい』
ソファに寝っ転がって、ぼそりと呟く。
俺以外にいない家の中は、しんと静まり返っていて、寂しさだけが募っていく。
誰かと飯でも……なんて考えも、時計に目をやればすぐに消え、また憂鬱な気分に戻った。
『はぁ。……腹減った』
もういっそのこと食わないで寝るか。
ぼーっと、スマホを弄って本日のニュースを確認しながらつぶやく。……あ、そういえば今日の分、ツイートしてない。
某青い鳥のアプリを開いて、真っ先に幼馴染のツイートを確認する。最終ツイート日は二日前と、今日も生存なしか……と落胆しながら、自身のツイートページに移動する。
『"今帰宅。ただいま、我が家。皆さんも、一日お疲れ様です。おやすみなさい、良い夢を"っと送信』
次の瞬間、ぱっとタイムラインに自身のツイートがのっかる。瞬きをしている間にも、10、50、200と…秒単位で伸びていくツイートに、少し呆れる。……早く寝れるなら、寝たらいいのに。俺らなんて寝たくても寝れないっての。
ぶつくさと心の裡で文句を垂れる。ファンの子ってなんでこんなに元気なんだろうね、分けて欲しいくらい。...考えても腹が満たされるわけでもないのに、思考がそんなもので埋め尽くされる。
明日の仕事の予習をしたら、寝よう。なんて、飯を食うのは諦めて、鞄から台本を取り出しに重たい腰を上げた。
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若宮(スイス/シャラルー☆)(プロフ) - いろはさん» わわわわ…! コメントありがとうございます。綺麗な文章だなんて言われ慣れて無く、気が動転してしまいました💧 なけなしの語彙力と文章構成能力で執筆しているので、むれがありますが、書けるときにゆっくりと更新していきますので、続編もよろしくお願いします。 (2022年3月25日 23時) (レス) id: 85bfe49477 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - 文字って主さんが書いているんですか??急でごめんなさい。そうだとしたら綺麗すぎません?!尊敬します…これからも頑張ってください! (2022年3月25日 19時) (レス) @page2 id: 16f74b0176 (このIDを非表示/違反報告)
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