☆ ページ39
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……俺も、もう
真剣な眼差しで、切羽詰まったような顔をした友人を邪見に扱うようなことなんて、出来やしなかった。
病み上がりの体を支えてもらいながら、少しだけ起き上がる。...いまだに、この警察ごっこのような状況は理解しきれていないし、友人は俺にそれを理解させたくないようだけれど、それはともかく。思い出せる限りの出来事を、言われた通りに細やかに説明し始める。
「……それで、―――あぁ」
「？ どうしたんだ？」
「そういえば、アイツ……結婚してたんだなって。嫌なこと思い出しちまった...」
「え？」
「その子供がさ、Aのこと…パパみたいに慕ってたんだよ。俺には本当の親子に見えたっつーか。むしろ、なんで報告してくれなかったんだよって感じで―――っ」
「お前、それ本気で言ってる？」
「本気も何も事実だろ？ たぶん」
目の前で動揺を隠しきれていない、困惑しきった顔の友人に、ああ...お前も聞かされていなかったのだなと、あの時の自分を重ねて同情した。
「……そうか」
と、ただ一言。友人は相槌を打つだけだった。
俺から振ったくせに、なんだか気まずくて。いたたまれなくなって、慌てて話題を戻そうとした。
「ああ、それで。えっと、Aが俺に傘を預けて、その子をどこかに送り届けに行って。…俺はその……アイツが結婚してたんだ、って。まだ本人を問い詰めてもいないのに、その衝撃でそのまま動けなかった。風邪をひいて仕事に支障がでるかもってわかってても、その場から動けなかったよ、おれ...っ」
あの雨に打たれた、あの日のことを思い出して、声が掠れた。 なぜか、次の言葉が紡げなくなっていた。 ぐっと息をこらえて涙をのむ。……だけど、抑えられなかった。嗚咽している俺とは対照的に、友人はひどく淡泊な声色で「……そうか」と一言だけ零した。それでも特に気にはならなかった。気にしてやれるだけの余裕を、今の俺はもっていなかった。
うまく呼吸ができないくらい柄にもなく泣きじゃくって、疲れて目を伏せた。俺が落ち着くまで黙って背を撫でてくれていた友人に礼を言って、また話を始める。明日でもいいよ、なんて言われたけど、俺は今日話したかったから。...この感情を、俺の中にだけ留めておくのは嫌だったから。
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若宮（スイス/シャラルー☆）(プロフ) - いろはさん» わわわわ…！ コメントありがとうございます。綺麗な文章だなんて言われ慣れて無く、気が動転してしまいました💧 なけなしの語彙力と文章構成能力で執筆しているので、むれがありますが、書けるときにゆっくりと更新していきますので、続編もよろしくお願いします。 (2022年3月25日 23時) (
レス) id: 85bfe49477 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - 文字って主さんが書いているんですか？？急でごめんなさい。そうだとしたら綺麗すぎません?！尊敬します…これからも頑張ってください！ (2022年3月25日 19時) (レス) @page2 id: 16f74b0176 (このIDを非表示/違反報告)
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