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☆複雑な思い ページ38

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――――待って! と手を伸ばせど、その背には手が届かなかった。



 つんと鼻にさす匂いと、妙にリアルな触り心地があって目が覚めた。すぐに視界に入ってきたのは真っ白な天井と、嫌に真っ白な空間だけで、他には大量の管と機械しかなかった。
 はっとして、自分の手を目の前に持ってこようとした。何かを握ったような感覚の残る手は重く、目の前にすら持ってこれなかった。だから、そこへと目だけを動かし、視線を向けたのだが、―――っ、生手…! 寝起き早々変なものをみた、と気が滅入りそうになる。



「……手だけ。ひっ、何のドッキリ…だよ、」

「ドッキリじゃねぇよ。目が覚めたようだな、よかったよ」

「…………は?」


 アイツに似た口調なのに、予想のしていなかった声が聞こえてきて、体がぴしりと固まる。A、じゃない声が……え...。



「Aじゃなくて悪かったな。おはよう、俊樹。目覚めはどうだ?」



 目の前にある顔に、呼吸を忘れる。
 高校卒業以来、連絡すら取り合っていなかった友人が目の前にいるんだから、呼吸の仕方を忘れるほど驚いたって、仕方がないと思う。……けど、なんでここに?




「なんでお前が…? って顔してるな。……まあ、とりあえず、お医者さん呼ぶか」

「医者……」

「そ、お前3日間眠ってたから、さすがに先に呼ばないと怒られちゃう」

「はっ、3日!?」



 うんうんと頷いてナースコールに手を伸ばす友人の腕を掴もうとするが、見事に躱されてそのまま、ボタンを押されてしまう。
 ……3日間も、俺……何やって―――!




 空白の3日間以前の出来事を思い出した、と思った瞬間…担当医と名乗る医師がやってきて、診察が始まる。検査は明日から、と言われて、友人が医師と二言三言言葉を交わしているのをぼうっと眺めた。




「おーい、俊樹ぃ〜」

「んあ、何だよ」

「そう不機嫌そうにすんなって。……とまあ、病み上がりで悪いんだけどさ。お前が眠りにつく前のこと、覚えている限りでいいから教えてくれねぇか?」

「はあ? いきなり来てそれかよ。近況とかなんか先に―――」

「―――悪いな、そんな悠長なことは言ってられねぇんだわ」

「? 何かあったのかよ」

「いや? まだ何もないよ。ただ…お前が素直に話してくれれば、全部解決すっからよ」


 わけがわからない。
 突然来て警察ドラマの真似事のようなことを始めた友人を不審げな目で見つめた。






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若宮(スイス/シャラルー☆)(プロフ) - いろはさん» わわわわ…! コメントありがとうございます。綺麗な文章だなんて言われ慣れて無く、気が動転してしまいました💧 なけなしの語彙力と文章構成能力で執筆しているので、むれがありますが、書けるときにゆっくりと更新していきますので、続編もよろしくお願いします。 (2022年3月25日 23時) (レス) id: 85bfe49477 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - 文字って主さんが書いているんですか??急でごめんなさい。そうだとしたら綺麗すぎません?!尊敬します…これからも頑張ってください! (2022年3月25日 19時) (レス) @page2 id: 16f74b0176 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャラルー☆ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年7月21日 23時

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