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「ちょっと!! 勝手なことしないでください」
「
「だから、勝手に決めないでください! というより、俺に伝えないでください! 応接室にいますから、直接———」
「———いいから、そのまま長に伝えてお前等は帰れ」
「はああ? 横暴すぎにもほどがあるでしょう。いくら
『———...さわたり...?』
「...よっ、A...」
俺の唇に人差し指を立てたそいつは、監視人を言いくるめた。監視人が俺達の元を去ったのを確認すると、そいつは重苦しいため息を吐き出し、俺の頬を
『———った、』
「馬鹿。お前、何つぅことしてんだ!!」
『ちょっ、声が大きい!!』
「大きいとか言ってる場合か!!」
『うぇっ、苦しいって! 首...絞まるし、人目につ、く』
「! 悪い」
突如襟首を掴まれ、壁に押し付けられた俺だが、ものの数秒でそれからも解放される。痛む頬を抑え、見知った顔のソイツを睨む。
「おーおー、睨むねぇ。怖いなぁ」
『思ってもないこと言うんじゃねーよ。…………遅いよ』
「仕事片してから来たんだよ。それに俺達の案件にするまで時間かかったんだ仕方ないだろ」
ニカッと健康的な白い歯を見せつけながら、グッドサインを出す沢渡という名のこいつは、俺達の、としきと俺の高校からの親友だ。高校卒業ぶりでそれ以来、ほとんど音信不通で、何を連絡してもほぼ既読無視だったくせに、こんな時に駆けつけてくるなんて。
『……ったく、狡ぃよ。ヒーロー気取りか...』
「ヒーローは遅れてやってくるってな! つーか、気取りじゃなくて、お前にとっての
『まあ、さいあく俺はどうでも―――』
「―――こら、俊樹が泣くぞ、そういうこと言うと」
『泣く…? 嗚呼、そうかもな...泣いてくれりゃあ、頑張る甲斐もあるよ、とか言ったりして…って痛ぁっ!』
無言で、冷めた視線を向ける親友は思った以上に怖くて、生理的に溢れでそうになった涙をひっこめた。
「……俊樹のとこと弁護士先生の所には同僚がいってくれてるから、まずはお前だな」
『もう俺、ようぎ―――』
「―――んで、お前何があった?」
『無視かよ』
「どうせ、俊樹に傷がつかなきゃなんでもいいって思ってんだろ。アイツはそれを望んでねぇよ」
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若宮(スイス/シャラルー☆)(プロフ) - いろはさん» わわわわ…! コメントありがとうございます。綺麗な文章だなんて言われ慣れて無く、気が動転してしまいました💧 なけなしの語彙力と文章構成能力で執筆しているので、むれがありますが、書けるときにゆっくりと更新していきますので、続編もよろしくお願いします。 (2022年3月25日 23時) (レス) id: 85bfe49477 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - 文字って主さんが書いているんですか??急でごめんなさい。そうだとしたら綺麗すぎません?!尊敬します…これからも頑張ってください! (2022年3月25日 19時) (レス) @page2 id: 16f74b0176 (このIDを非表示/違反報告)
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