月の下 ページ37
月明かりの甲板の上
Aは一人寝そべっていた
ザァザァと波の音がAを包み込み、青白い光がAの体を照らす
ナミやロビン、もしくはサンジに気づかれればすぐに部屋に連れ戻されるであろうが見張り台にいるゾロはAに一目くれただけで何も言わない
『なぁに?』
うっすらと目を開け呟く
その瞬間光が揺れ、波音が止んだ
文字通り光と水が踊り、Aの横に人影ができる
月海と凛海が殺気立ち、ゾロが刀を抜く気配が伝わったが、Aは何も気にしてないように目を閉じた
シャンシャンシャン
風のような音にAは微笑む
大丈夫だと安心させるように
『まだ国は見つけれないけど……絶対見つける』
だから安心して
気持ちが通じたのか人影は消え元の波音と月明かりに戻る
『見張りはいいの？……ゾロ』
体を起こして甲板へと降りてきたゾロへと目を向ける
「あんなもん見せられて黙ってられるか」
『あれは私の国と縁ある精霊たちよ。私を見つけてビックリしたみたい』
「そうかよ」
ゾロの返事はあくまで素っ気ない
だが納得していないことは声色で分かった
『もし…もしもよ?この先勝てない敵が現れて、仲間全員バラバラになるかもしれなかったらどうする？』
「ったく変なことばっか考えやがって。どうもするかよ。ただあいつを信じてついていくだけだ」
『ゾロらしいね……ねぇ、ゾロ』
「なんだよ」
不機嫌になったゾロに構わず言葉を続ける
『この先は嵐の海。見えない暗闇と進むことが許されない嵐が続くわ』
「……予知夢は話せねぇんじゃなかったのか？」
『この程度なら話したうちに入らないから大丈夫。話したいのはそこじゃないもの』
「………」
『私が私自身を見失うことがあって…仲間の誰かを傷つけようとしたらその時は……』
迷わずに切って
あまりの真剣なAの目にゾロは何も答えられなかった
『他の人に頼みにくいの、お願い』
「……最悪の時だけだ」
『いいよ、それで』
Aは笑う
何も気にしていないように
「お前はどこまで知ってやがる」
『最後までって言おうか?』
「いや…いい。聞かねぇよ」
『そう、それじゃおやすみ』
Aは立ち上がるとゾロの横を通り過ぎる
「お前が……」
『何？』
どちらも振り向かない
ただ声だけに耳をすませる
「お前がいなくなれば悲しむやつがこの船にいることを忘れるな」
『ゾロも含まれる?』
「……………あぁ」
月明かりは静かに見つめる
不器用な少女と剣士の姿を
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歌和月(プロフ) - ほうじ茶さん» ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします (2018年1月16日 0時) (
レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2017年12月24日 17時) (レス) id: d5dae34659 (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ピースさん» コメントありがとうございます。どう書こうか、このまま書いても…と自身を無くしていたのでコメントが来たのでやる気も出、自信も出てきたので一気に3ページも自分の書きたいように書けましたありがとうございます^^* (2017年12月22日 22時) (レス) id: 8cd538f5d8 (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 早く続きをみたいです。 (2017年12月22日 14時) (レス) id: fa425b4f2d (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ジュリさん» ありがとうございます!!出来るだけ早く更新できるように頑張っていきたいと思います (2017年11月4日 22時) (レス) id: cdc15aa4fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歌和月 | 作成日時：2017年10月22日 0時
