忠告 ページ31
『ひっく……ひっ……ひっく』
人気の無い場所でAは泣く
走って走って辿り着いた場所
袖を涙で濡らし、Aは声を押し殺しながら泣いた
ーーあらあら、どうしたん？
ふわりと横に現れる人影
力を使ったさい、体に憑依させた二柱のうちの一柱の神だった
『あなたこそ…どうしたの?帰らないの?』
ーーふふっ、嫌やわぁ…泣いてる子をほっとくほどうちは鬼やないで
そっと頬に暖かなものが触れる
ーーどないしはったん？
『……』
ーーあぁ、喧嘩したんか…そうやね、そら怒られるわ
『心読むのやめてくれる?』
しれっと胸に置かれた手は離れない
ーーあんたはんも頑張ったものなぁ…そやけどあの人らが怒るんも無理ないわ
『なんでよ…私はただ力になりたかったから』
だから頑張った
寝る間も惜しんでただがむしゃらに頑張ったというのに
ーーそやねぇ…そやけどあの人らが無理してるとこ…あんたはんは我慢して見れる？
Aはゆっくりと首を横に振った
ーーそういうこっちゃ…なにもあんたはんが嫌いなわけあらへん。心配なんよ。好きやからこそ大事にしたいんよ
神の声はどこまでも優しく、だが心を読むのはやめてくれない
ーーうちもな…できればあの術使うんやめてほしいんよ
『どうして?』
ーーふふっ無自覚言うんも怖いわぁ
『っ!!』
胸に置かれた神の手がAの体の中に消えていく
『なっ…!!』
ーーあんたはん、人ならざるものに好かれやすいってこと…もうちっと自覚しぃ
体が熱い
息が苦しい
苦痛に歪むAの顔を神は楽しそうに見つめる
ーーあんたはんの心を奪って自分のものにしよう思う神はぎょうさんおるんよ？
『そんなこと』
ーーあるんよ。あんたはん、自分が普通のおなごや思ってます?ほんならその考えはやめ。あんたの体はなぁ、神にとって極上のものなんやで？
『……』
ーー穢れのないその心、その体、奪ってトロトロに溶かしてもう外に出れんよう閉じ込めて自分のものにして…あぁ清らかな体を穢してやりたいって思う神もおるかもなぁ
奪われる
視界が揺らぐ
だが
ーーいかんいかん、やりすぎてしまったわぁ
急に解放され、体が元に戻った
ーーかんにんしてなあ…怖がらすつもりはなかったんよ…あぁもうほら、泣き止んで…あんたはん泣かせたなんて知られたらうちが他の神に怒られてしまうわ
『泣いてないもん』
ーーそんな急に意地はらんでも…でもな、気いつけなや。ほんまにそんな神ばっかなんやさかい
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歌和月(プロフ) - ほうじ茶さん» ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします (2018年1月16日 0時) (
レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2017年12月24日 17時) (レス) id: d5dae34659 (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ピースさん» コメントありがとうございます。どう書こうか、このまま書いても…と自身を無くしていたのでコメントが来たのでやる気も出、自信も出てきたので一気に3ページも自分の書きたいように書けましたありがとうございます^^* (2017年12月22日 22時) (レス) id: 8cd538f5d8 (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 早く続きをみたいです。 (2017年12月22日 14時) (レス) id: fa425b4f2d (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ジュリさん» ありがとうございます!!出来るだけ早く更新できるように頑張っていきたいと思います (2017年11月4日 22時) (レス) id: cdc15aa4fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歌和月 | 作成日時：2017年10月22日 0時
