逃げたい ページ29
城への帰り道、徐々に重苦しくなる空気をAは肌で感じ取っていた
この感覚は知っている
3人が本気でキレる度にこの空気を感じ取っていたのだから
まさか、自分が受ける側になるとは思いもしなかったが…
まるで死刑宣告を受けるかのような
そんな感じがした
『ねぇ、どこ行くの?』
返事はない
怖い
逃げたい
嫌だ
「よし、ここなら良さそうだな」
サンジが呟きながら足を止める
行き着いた先は人気の無い路地裏
ルフィが木箱の上に座り、その両側にサンジとゾロがそれぞれ立つ
やめてくれ
Aは叫びそうになった
嫌いなのだ
ルフィの真剣な目が
逃げ場の無い、誤魔化すことも出来ないこの状況が
『どうしたの？こんな所に来て。お城に戻らないの?』
「なんでか…なんて分かってるんだろ?」
サンジの言葉にAは言葉を詰まらせる
「分からねぇならおれが言ってやろうか?」
Aを睨みながらゾロが口を開いた
「おめェが気を失う前の話だ。心当たりが無いとは言わせねぇぞ」
『……』
「あの力はいったい何なんだ?」
言い逃れは出来ない
嘘も通用しないだろう
『あれは…香国と紅雲国の王族しか使えない術。とは言っても今は神を操る能力が長けている紅雲国の王族しか使えないけどね。私は両国の能力を持ってるから使えるけど』
そしてーー
『王族でも無闇やたらに使ってはいけない禁術って言った方が早いかもね』
「禁術ってことは使っちゃ行けねぇって事だよな?」
『そうだけど…私は王族だし、二つの力を持って生まれたから…使っちゃダメってことは無いよ』
いつも優しいサンジの顔が怖い
嘘は言ってない
逃げたい
怖い
「おめェがその禁術とやらを使った時、お前の気配が消えた。だが、お前は同じ場所で浮かんでた。おれが気づいたんだ。クソコックはもっと感じただろうよ」
『ゾロ………』
「もう一度聞くぞ。あれはなんだ?」
逃げたい
逃げられない
怖い
許されない
『あぁ…もう。見聞色の覇気って便利だと思ったけど厄介だったわ』
Aは諦めて息を吐いた
『あれは、近くにいる神を自分の体に憑依させて、神の力だけを使う術よ。だから、王族…今は紅雲国の王族しか使っちゃいけなかったの』
修行中に唯一、使うことが許された禁術であった
『一時だけだけど神と一体化するから、私の気配が無くなったのもあたりまえといや当たり前ね』
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歌和月(プロフ) - ほうじ茶さん» ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします (2018年1月16日 0時) (
レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2017年12月24日 17時) (レス) id: d5dae34659 (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ピースさん» コメントありがとうございます。どう書こうか、このまま書いても…と自身を無くしていたのでコメントが来たのでやる気も出、自信も出てきたので一気に3ページも自分の書きたいように書けましたありがとうございます^^* (2017年12月22日 22時) (レス) id: 8cd538f5d8 (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 早く続きをみたいです。 (2017年12月22日 14時) (レス) id: fa425b4f2d (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ジュリさん» ありがとうございます!!出来るだけ早く更新できるように頑張っていきたいと思います (2017年11月4日 22時) (レス) id: cdc15aa4fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歌和月 | 作成日時：2017年10月22日 0時
