それはやっぱり君でした【にのあい】 (ページ47)

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同じ匂いページ47

雅紀の美味しいカレーを食べた後でリビングでプレゼンを練ってるとシャワーを終えた雅紀が気を使ってか何も言わずにそのままキッチンに行ってビールを取り出した。

時計の針は9時を回っててまだカズたちは帰ってこない。

カズが仕事で遅くなるのはいつものことだけど…美羽ちゃんと一緒なのかなぁと思うとなんだか複雑。

信用してるし疑ってるわけじゃないのだけれど。

これじゃあまるで…

雅紀：「なんか…Aと同棲してるみたい。」

A：「え？」

雅紀：「あ、ごめん。心の声が漏れた(笑)」

A：「ううん…私も今思ってたとこ。」

雅紀：「………。」

A：「………。」

お互いがお互い顔を見て苦笑い。

雅紀：「…プレゼンどう？」

A：「あ、見てくれる？」

なんとなく話を切り替えられてホッとした。

雅紀は濡れた髪のまま私の横に腰を下ろす。

雅紀：「………。」

黙ったまま私のまとめた資料に目を落とした。

いい香り。

なんのシャンプー使ってるのかな。

私とカズは同じシャンプー使ってるからそんなの感じた事なかった。

雅紀：「…なに？」

私の視線に気が付いたのか雅紀が顔を上げる。

A：「え？ああ…いい匂いがするって思って。雅紀なんのシャンプー使ってるの？」

雅紀：「え？そう？ってか俺もAがいい匂いするなぁって思ってた。」

A：「本当？自分だとわかんない…」

言いかけた時。

雅紀が顔をかがめて私の首筋に鼻を近付けた。

そうしてクスッと笑う。

雅紀：「………ニノと同じ匂い。」