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智：「それ言われた時に、自分の中でストンとなんか落ちた気がしてさぁ」
A：「………。」
空を見ていた智くんの瞳が私に移る。
智：「妹だと思ってたこの感情は、ああそっかって。愛おしいって言うんだって。」
面と向かってそう言われて恥ずかしい。
少し嬉しくて。
少し、悲しい。
夏菜子さんの気持ちがなんだか解る気がして。
智：「…Aどっか行きたいとこ考えた？」
A：「え？」
智：「考えとけって言ったじゃん。」
A：「ああ…、うんっと、そうだなぁ…じゃあ…行きたいお店あるんだけど。」
慌てて頭を思い巡らせたら、今度お店を出す雅紀の顔がパッと浮かんだ。
智くんは嬉しそうな顔をして、
智：「いいよ、どこ？」
A：「友達がね、今度お店を出すの。居酒屋なんだけど、」
雅紀は大学の同期で、バカそーに見えて起点は効くし、容量もいい。始めは普通の会社員をやってたんだけど自分はここじゃないと悟ったらしい。
会社員をやりながら着々と店を出す準備を水面下で進めていた。
目黒に店を出すって聞いた時は驚いたけど雅紀らしいなって。昔から人集めて何かするのが好きだった。
智：「いいね、んじゃ夜はそこで飲むとして…昼はじゃあ、俺に付き合ってもらおうかな。」
A：「うん、どこ？」
聞くと智くんは笑って、
智：「俺んち。」
A：「…え？」
智：「Aんとこばっかお邪魔してるから、次回は俺んとこご招待するよ。」
A：「智くんち…」
智：「なに？警戒してる？大丈夫だよ、まだ手は出さないから。」
ま、まだ？？！
慌てる私を智くんは楽しそうに眺めながら、
智：「こう見えて料理上手いんだよ？ご馳走するよ。」
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作者名：＊まぁ＊ | 作成日時：2021年3月21日 18時
