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一途 ページ1
ガタン。ドスン。
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休日。
二階の和也の部屋から大きな物音が聞こえる。
部屋が決まって来週中に引っ越しが決まったから荷造りをしているらしい。
A：「………。」
引越しの日は。
蕎麦でも茹でてやろうか。
A：「…引っ越しと言えば引っ越し蕎麦…」
ソファーに寝転んだままぼんやりと呟く。
和也の彼女ってどんな人なんだろう。
綺麗かな？
私と違って可愛げあるかなぁ…
ジワリと涙で視界が歪む。情緒不安定。
別れてもずっとそばにいたあいつがもうすぐいなくなる。
しかもまだ好きって自覚した。ああ、バカじゃないの。
信じらんない。
どんだけ一途だったの。
トントン。
やがて階段を降りる音が聞こえてTシャツ姿の和也がリビングに顔を出した。
和也：「…なにやってんの、お前。」
A：「………。」
和也：「もう昼過ぎだぜ？いつまでパジャマのままでいんの？いつも休みの日は羽が生えたようにどっか行くくせに。」
A：「………」
眼を拭って寝転がったまま天井を仰ぐ。死んだように。
無表情のままなにも答えない私に和也は溜息をついてキッチンに回った。
プシュッてプルタブの開く音。
あー、和也が上に戻ったら私も飲もう。飲まなきゃやってらんない。
A：「………和也………」
和也：「ん？」
A：「ひとつの切ない恋の話をしようか………。」
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作者名：＊まぁ＊ | 作成日時：2020年2月19日 21時
